概念を作り上げてコンプレックスを煽る商法に、消費者も飽き飽きしているのかもしれない。
そもそも「イエベ族」とは
1月後半、美容に興味関心の強い女性たちの間で、ある女性誌の次号告知が話題となり、批判的なコメントが多くツイートされた。批判の対象となったのは、現在発売中のVOCE3月号の次号予告に載った「『イエベ族』を救うワザ101」という一行だ。
ウェッジの読者層にとって「イエベ」とは聞いたことのない言葉かもしれない。筆者も美容には疎いのだが、とりあえずVOCE3月号などを購入して調べてみた。
「イエベ」とは、「イエローベース」のことで、地肌の色味を表す。日本の美容雑誌では、女性の肌は「イエローベース(イエベ)」か「ブルーベース(ブルべ)」に分類できるとされ、メイクやコスメに関心の高い女性の多くは、自分の肌がイエベかブルべかの診断をしている。そして、その診断の元に、ファンデーションや口紅、アイシャドウなどの色を選んでいるらしい。VOCEは、「イエローベースに分類される人」の意味で「族」を使ったのだろう。
女性誌で頻繁に登場する「PC」とは「パーソナルカラー」の略であり、パーソナルカラー診断を行うことによって、それぞれに似合うコスメを効率的に選ぶことができるとされる。
「黒髪族を救う」と言われたら大きなお世話と思うはず
さて、それではなぜ、「『イエベ族』を救うワザ101」は炎上したのだろうか。ツイッター上での女性たちのつぶやきを、一部要約して紹介する。
「イエベを救うって、いつからブルべが正義なの? それぞれの良さがあるでしょう」
「こういう言い回しと風潮のせいで肌色コンプレックスが生まれるんだよ」
「イエベ族を救うって、上から目線ですね」
VOCEのツイッターアカウント(@iVoCE)には、「イエベ族を救うって、救われなきゃいけないんですか?」などのリプライも飛んでいる。