2024年12月22日(日)

ネット炎上のかけらを拾いに

2018年8月31日

(monzenmachi/iStock/Getty Images Plus)

 ツイート主を見れば、幸せそうだからいいじゃん……で終わる話。

微笑ましい「ママ閉店」ツイート

 ツイッターとは比較的、被雇用者側の価値観に分の多い場所だと思っている。もちろんどんな人をフォローしているかにもよるが、顕著なのがブラック企業や残業に関するツイート。もしツイッターで、「サビ残もしないなんて今年の新入社員は甘っちょろい」などとつぶやけば、速攻で炎上するか、「釣り」扱いされるだろう。今でも世の中にサービス残業している労働者は存在しているのだろうが、ツイッターの中では、このような旧世代の価値観は潰して権利を主張していこうという雰囲気があると感じている。ツイッターにはいろいろと弊害もあるが、この部分に関しては良い傾向と言えるのではないか。

 だからこそ、「ママ閉店」の騒動には驚いた。発端は、3児の子育て中という男性がつぶやいたツイートだった。少し長いが全文を引用する。

「はーい、もうママ閉店でーす」
 妻が時々言う。

 発動したら何もしない。
 テレビ見たり(普段はほぼ見ない)、
 スマホいじったり。

 子どもたちにママとすら呼ばせない
 あだ名で呼ばせる
 「ママじゃないでーす」
 「〇〇ちゃんで~す」と。

 世のママも閉店したらいい
 急遽閉店するのがいい

 育児にだって息抜きは必要だ。24時間働き続けることは誰にもできないのだから、休めるときは休んだほうがいい。心身の安定をうまく保てる人は、うまく休める人だろう。それに、これをつぶやいているのが夫であるということは、「ママ」は自分の代理がいることを見据えて「ママ閉店」と言っている。そしてそれをパートナーであるパパが納得してツイートしている。仲の良い夫婦の微笑ましいツイートである。

 筆者はそのように思った。共感した人は多かったようで、このツイートは8月30日の時点で7万8000回以上RT、26万5000回以上「いいね」されている。バズればバズるほど、どんなツイートにも批判やイチャモンはつくものだが、このツイートにはなぜか、激高と言っていいほど怒っている人が現れたのが驚きだった。たとえば、以下のような。

「『はーい、もうママ閉店でーす』と、もしわしの嫁がそれを言って家事をやらなくなったら、その場で顔を3発ぐらいビンタして、無言で嫁の荷物をかき集めて庭に放り出して、嫁の腕掴んで、玄関から蹴り飛ばすな、ほんで二度と家に入るな、と言って鍵閉める、ほんで嫁の親に電話して土下座させる」

 それはもう、明らかにDVでは?

「ママ閉店でもパパ閉店だろうと、それやったら将来自分が子供に介護される必要が出てきた時、自分の子に『子供閉店します』って拒否されても文句言うなよ」

 元ツイート、そんな深刻なノリの話だったっけ……。


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