2024年4月26日(金)

From LA

2018年10月18日

 また大麻を扱う側も、銀行口座やクレジットカードの利用ができない、という欠点がある。米国の場合大麻は国家としては違法であるため、大手銀行などが大麻ビジネスの口座を拒絶しているのだ。カリフォルニア州では大麻業者のために信用組合を設置したり納税窓口を増やしたりして「現金を扱うことに不安を抱かない」システムを採用しているが、カナダの場合は国家ぐるみなのでこうした問題は少ないかもしれない。

多くの大麻がカナダに流れる

 問題は今後カナダで合法化に伴う大麻使用者が増える、また観光客の利用が増える、などにより大麻が不足する可能性があることだ。そのためカナダの企業がカリフォルニアの大麻ベンチャーを買収し、大麻を確保しようとしているのだが、同じく合法化されたカリフォルニアにとって多くの大麻がカナダに流れることで値上がりや品不足に陥る可能性がある。

 そして最大の問題は、大麻を違法ドラッグとして敵視している米トランプ政権とカナダの間に軋轢が生じるのでは、という点だ。カナダへの大麻輸出禁止令、などというものが出される可能性もある。米国だけではなくEU諸国との今後の関係性にも大麻解禁は影響を及ぼすかもしれない。G7に名を連ねる大国での大麻解禁が世界に与えるインパクトは大きそうだ。

  
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