「40歳の大学生」も珍しくない
ストックホルム大学。現在約64,000人が学び約5,000人が勤務している
もう一つ、私がこちらの教育現場でよく耳にし、素敵だなと思う教育精神があります。それは「歳は関係ない」というもの。スウェーデンでは勉強をするのに遅いなんていうことはなく、いくつになっても始められるのです。何年、何十年か働いた後に異なる分野を学ぶため再び学生に戻る人も少なくなく、現に40歳の大学生なんて珍しくありません。もちろんこれも、「そんな年にもなって学生だなんて…」という世間の目がないからだけでなく、先述したKomvuxや教育援助など、大人が勉強しやすい環境が整っているからこそできること。
スウェーデンで必要なのは若さではなく、夢とやる気、というこの理念は、スウェーデンに移住してこれまでの経験が通用しなかった時にとても助けとなりました。移民だからといって受けるサービスに不公平はなく、人一倍の努力をすればそれだけ将来が広がっている。この手厚い教育制度を持つ国では、頑張り次第で誰もがいつでも、一からの可能性に賭けることができるのです。
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