同目的で中南米への興味も目立つ。キューバ、ベネズエラという2大反米国へこれ見よがしに行ったのは「中国強し」の印象を与えるためでもあったか。資源確保=国家安寧を追求させたところ、帝王学を踏ませた感もある。
第2は地政学的地歩の拡大だ。カンボジア、ミャンマー、ラオスそしてバングラデシュと、中国の威光に逆らうべくしてあまりに弱い国々に勢威を示したほか、欧州では新興勢力と周辺国家を丹念に回った。もっとも主要国は首脳2人が訪れるから、習氏は外堀固めに専念できたともいえる。今年6月イタリアへ行ったのは、同国が債務危機で弱体化したのを好機と踏み、対中武器輸出規制を外させる突破口をローマへ探りに出たものだろうか。
訪問先では企業見学にも精を出した。スウェーデンで立ち寄ったSKFは、ベアリングで世界有数。今後工作機械や中国製機械の精度を上げていくのに欠かせない基幹部品であること、言うをまたない。とまれ、習氏は既に地球を4~5周した計算になる。
国会に縛られ週末、連休しか外遊できない日本の場合と大違いだ。
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