2024年6月17日(月)

使えない上司・使えない部下

2019年2月25日

勝つための努力をしてきた人だからこそ、言えることってある

 長嶋さんも(1974年に)現役引退後、監督にいきなり就任し、1年目(1975年)は最下位になって、いろいろとご苦労をされたんでしょう。2年目以降に、V9の時代に川上監督のもとで勝つための努力をしてきた人がコーチとして戻ってきた。あれは、よかったんじゃないかな…。勝てるようになりましたからね。あのときに、勝つための努力をよく知っている人が巨人に来たのは大きかったと思いますよ。野球でも、ほかのスポーツでも、会社でも、チームをつくるときに勝つための努力を体でよくわかっている人が中心にならないと、チームづくりは難しいんじゃじゃないかな。

 王さんは勝つための努力を惜しまない方でした。あんなに練習をした選手は、いないんでしょうね。だからこそ、王さんの一言で、僕なんか、ずいぶんと変わった。V9のころ、代打ばかりを5年間していると、ちきしょっーてイライラしてくる。だけど、それを表に出したら、チームの和が乱れるから、こらえる。俺しかいないだろうっていう気持ちは、常にあったんだけど。

 あの頃、そう思いながらも、代打でもう終わるんだなって。よし、このチームを去ろうという思いがだんだん強くなっていたんです。ジャイアンツのことは大好きだったけど…。もっと試合出場の可能性の高いチームに移って、自分がどれだけできるかを確かめたい。それで駄目だったら、引退しようと思っていた。ところが、王さんのたった一言で変わった。「おい、ヤナ(柳田さんのこと)、おまえ、たいしたもんだな。よく、1打席で結果を出せるな」って。あの王さんに「たいしたもんだよ」と言われた。勝つための努力をしてきて、実績のある方の一言で、人って変わるんですよ。

 会社員でも、いい仕事をしているんだけど、伸び悩んでいる人がいますよね。そんな人には、ぜひ、声をかけてあげてほしい。勝つための努力をしている人ならば、どんな言葉をどのタイミングでかけるのがいいのか、わかるでしょう。

 王さんは、ものすごくきめ細かな方だから…。キャンプのとき、用具係とか、バッティングピッチャーを連れて中華料理店でご馳走していました。あの王さんがみんなの前で頭を下げて、「今年もよろしくお願いします」とお願いするんですよ。気配り、心配りがまるで違う。バッティングピッチャーも王さんから言われれば、肩とか、ひじが少々痛くとも投げると思います。あの方の周りには当時、そんな選手がたくさんいたんです。

 会社に、王さんのような方がいるかどうかでしょうね…。実績を持って、バリバリと仕事をする人がそういう役割をしてくれなきゃいけないんですよ、本来は。実は、そういう人ってたくさんいる。後輩や部下を甘やかすわけでもないし、迎合するわけでもない。勝つための努力をしてきた人だからこそ、言えることやできることってあると思う。


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