2022年12月10日(土)

中国はいま某国で

2011年12月7日

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谷口智彦 (たにぐち・ともひこ)

慶應義塾大学大学院SDM研究科教授(前内閣官房参与)

2013年1月から安倍晋三首相退任まで、同首相の外交政策演説を起案。2005〜08年、外務省外務副報道官。先立つ約20年『日経ビジネス』記者。元ロンドン外国プレス協会会長。東京大学法学部卒。1957年、香川県生まれ。

 今年5月には、中国から天津農墾集団という会社の代表がソフィアを訪れミロスラフ・ナイデノフ農業食糧相と会った。この時中国側は、同国東北部で面積にして千代田区を上回る範囲を買うか、借りるかしたいと伝えた。

 ドナウ川に面し、セルビア、ルーマニアに近い。けれども発展が遅れ、EU内最貧地域の同地で、中国はとうもろこしと飼料作物を作り中国へ輸出したいのだという。同社代表が語ったところから察するに、これら作物の米国依存を減らしたい動機があるようだ。加えて同国南東部では、鎌倉市や那覇市より大きな一角を同じように租借、ないし購入したがっている。

 会談でナイデノフ氏は「投資を歓迎し、租税免除の恩典も与える」と述べた。警戒心は皆無のようだが、中国の農政はお世辞にも成功と言えない。肥料の大量投与で一時生産性を上げたとしても、土地を荒れさせ砂漠化を招いた実例なら豊富にある。まして他国の他人の地、中国がブルガリアで同じことをしない保証がどこにあるとソフィアは考えているのだろうか。

◆WEDGE2011年12月号より


 




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