英語圏の外国人らも「簡単ではない」という声
これまで相対評価だった英語の試験が2017年の修能試験から絶対評価に変わった。絶対評価は、得た元の点数によって等級を受ける。相対評価は標準点数や百分位数(パーセンタイル)が重要だが、英語は90点以上は1等級、80点~89点は2等級、70点~79点は3等級を受ける形だ。
大学で修学するのに必要な英語使用能力を測定する水準で出題されると発表される。ところが、最近の英語試験問題は、英語圏の外国人らも「簡単ではない」というほど相当難しく出題される傾向がある。
英語科目を相対評価から絶対評価に変えたのは、「学生の過度な学習競争と学習負担を軽減させる」というのが政策目的だった。
教育部(文科省に該当)は、「学生と学校現場の過度な競争と学習負担を減らし、実生活で使える意思疎通中心の英語能力を向上させるための授業に学校授業を変えていくため、修能試験の英語科目を絶対評価を導入する」と明らかにした。
2年間の英語テストが絶対評価で行われたものの、当初、絶対評価を導入する際に期待した効果が全く現れなかったという指摘が出た。難易度が不安定で、"やさしい英語"の趣旨が色あせており、学校の英語授業も趣旨通りに英会話能力を引き上げるよりは、修能試験に備えた問題を解く授業が行われている、との批判が出ている。
国会立法調査処の「大学修学能力英語領域絶対評価施行の争点および課題」によると、教育部が修能試験の英語を絶対評価に転換し、学校の英語授業を、 話す・聞く・読む・書く能力をバランスよく引き上げると明らかにしたが、実際の現場では体感できていないという点を指摘した。
依然として意思疎通能力を高めるよりは、問題を解く方式の"読解"中心の授業が行われており、修能試験に備えた授業と評価が維持されているということだ。
同調査処によると、塾などに通う私的教育費の負担も相変わらずだった。17年度に英語の私的教育を受ける割合と教育費の規模は2015年より減ったが、依然として英語科目の私的な個人負担教育費は5兆4000億ウォン(約5400億円)で、その他科目を含む全体の教育費の13兆6000億ウォン(1兆36000億円)のうち、約40%を占めていると指摘した。