2024年4月20日(土)

中年留学日記

2011年12月21日

 私は2時間程度の買い物によく使っているほか、数時間ドライブするときには丸一日借り、すべての用事を一回で済ませてしまう。ガソリンがなくなった場合には備え付けの専用のクレジットカードで自分の会員番号を使って給油できるので、燃料代がかからないのもうれしい。

 ただ、一定の走行距離(私の場合180マイル≒290キロメートル)を超えると、距離に応じて追加料金がかかるため、あまり遠いところには行きにくい。たとえば約200マイル離れたニューヨークまでなら行ってもいいが、300マイルを越えるカナダまで足を伸ばすなら、従来型のマイル無制限のレンタカーを借りるほうがお得だ。

 使用後は元のステーションに時間までに戻すということがルールであるため、所定の時間までに戻れないと罰金を支払うことになる。次に使う人がその場で待っている場合もあるので、時間をしっかりと守らなくてはいけない。利用する人の高いモラルによって成立しているシステムでもある。

やっぱり日本車が一番

 気になる車の質だが、以前に乗った人の使い方が荒くてボディがへこんでいるとか、車内がひどく汚れていることもあまりない。会社が定期的に点検をしているようで、品質は保たれている。いろいろな種類の車にのったが、やはり日本車は乗りやすく、いろいろな点で使い勝手がよい。

 サービス網はボストンに限らず、ニューヨークやワシントン、ロンドンにも広がっている。会員カードをもっていれば他の都市でも使えるため、こうした都市に出張するビジネスパーソンにとっても非常に使いやすい。特にボストンは短期滞在の学生や研究者が多い土地柄であることから、こうしたカーシェアのビジネスが発展する条件が整っているともいえる。

 Zipcarは2000年に創業したベンチャー企業だが、10年余りで全米でも名の通った企業に急成長した。11年4月にはナスダックにも上場。各地の大学と提携し、米国外にも積極的に進出するなど事業の拡大を続けている。その成長の過程はハーバードビジネススクールのケーススタディにも採用され、企業経営の参考事例となっている。正にアメリカ的な企業でもある。

 人々の隠れたニーズをくみとり、便利なサービスを提供する着眼点と創意工夫には注目させられる。日本でも近年、カーシェアリングがビジネスとして成長している。「所有から利用へ」のスタイルが日本でも浸透してゆけば、クルマを取り巻く環境もまたさまざまに変わってくるのではないかと思う。

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