From LA

2019年11月21日

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 2018年はカリフォルニア州の史上最悪の山火事被害の年、と言われた。2017-18年にかけての消火活動その他の費用は9470万ドルに及んだが、18-19年もすでに7000万ドルに達する勢いで、過去数年間で山火事被害は拡大の一途を辿っている。

火災に見舞われるカリフォルニア州サンタポーラ

 多くがその原因として地球温暖化を挙げる。日本でも同様に昨年、今年と想定外の台風被害があったが、カリフォルニアの山火事も地球環境の変化に起因している、という考え方だ。

 カリフォルニア州のニューサム知事は非常事態宣言を発動し、「連邦政府と協力して被災者救済と今後の火事防止に努める」と宣言した。しかしその宣言に食いついたのがトランプ大統領である。ツイッターで、

「カリフォルニア州知事は山林管理を怠った。最初に会った日から彼の『ボス』である環境保護団体が何を言おうと、山林をクリーンにすることが必要と伝えてきたにもかかわらずだ」   

「毎年のように山火事が起こり、同州は連邦政府に費用の援助を求めてくる。しかし、もうこれ以上の援助は行わない。知事は他の州の山火事防止策を見習い、自分たちの手で何とかするべきだ」

 などと呟いたのだ。

 もちろんこれに対しニューサム知事は「大統領は地球温暖化を否定している。その議論から逃げている」などと反論した。カリフォルニア州で山火事が起こるのは例年のことだが、それが悪化しているのは地球温暖化が確かに影響している、と指摘する学者も多い。

トランプ大統領にも一理ある

 ただし、トランプ大統領にも一理ある、という意見もある。毎年のように山火事が起こるカリフォルニアでは、以前には計画的火災が行われていた。最も山火事被害が予想される地域を前もって放火し、鎮火することで延焼を防ぎ、より大規模な火災につながることを未然に防止するためだ。しかし、環境保護団体から計画的火災についての環境への悪影響などの反対論が起き、最近では行われなくなった。これが大規模火災につながっている、という指摘がある。

 トランプ大統領の言う「山林をクリーンに」という言葉にはこの計画火災、山林の伐採、下生えの除去などが含まれる。カリフォルニア州では松や杉を食い荒らす害虫被害も増えており、立ち枯れしている森林が多いことも火事被害拡大につながっている。

 さらには経済的見地からの問題もある。人口が増え、住宅地が不足するに従い、これまで宅地として開発されてこなかった山林付近にまで開発が進み、ひとたび火災が起こると住宅被害が増える、つまりそれだけ火事に近い場所に建設される住宅が増えている、という。

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