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2020年5月15日

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英イングランドでは400人に1人が新型コロナウイルスに感染している可能性があることが、最新の調査で明らかになった。

国家統計局が14日に発表したこの調査では、1万1000人を対象にした。5月10日までの2週間にわたって検体を採取し、検査を行ったところ、イングランドの人口の0.27%に当たる14万8000人が、現在COVID-19にかかっている可能性が示唆された。

この調査結果は、ウイルス感染者1人が次に何人に感染させるかを示す「実効再生産数」の計算や、感染者の接触者追跡が実現可能かどうかの分析に役立つという。

調査は今後、イギリス全土の一般世帯に住む2万5000人を対象に拡大する予定だ。

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調査対象には病院の入院患者や介護施設の入居者など、感染の可能性が格段に高い人は含まれていない。

5000世帯から集められた1万1000人の検体のうち、新型ウイルス検査で陽性だったのは30世帯の33人だけだった。

また、こうした世帯にいる医療・介護従事者は、他の職種の人よりも数倍、新型ウイルスに感染しやすかった。

BBCのロバート・カフ統計部長は、この調査結果からは新型ウイルスにかかる可能性は現在、非常に低いことがわかると説明。

病院や介護施設を除いた、この「400人に1人」という確率は、たとえばバスであれば感染者に会うことはほとんどないが、地下鉄なら数人と遭遇するかもしれないレベルだと例を挙げた。

一方で、この数字をイングランド全体に当てはめると15万人が感染している計算になり、政府がこの全員の接触者を追跡し、ロックダウンや他者と距離を取る施策、検査などを進めるのがいかに難しいかを示していると分析している。

死者の4分の1以上が糖尿病

国民保健サービス(NHS)はこれとは別に、COVID-19で亡くなった人がどのような基礎疾患を持っていたかを示した統計を発表した。

それによると、3月31日以降にイングランドの病院で亡くなった人の26%が糖尿病をわずらっていた。2万2332人の死者のうち、5873人に糖尿病の症状があったという。

保健省によると、イギリスでは14日に新たに428人が亡くなり、全体の死者数は3万3614人に上っている。

一方、この日の検査件数は12万6064件と、政府が目標とする10万件を超えた。目標達成はこれで3回目となる。

イギリスで現在行われているのは、検査時点でウイルスを保有しているかを示す抗原検査のみ。抗原検査は今後も、政府の検査・追跡戦略の中心となる見通しだ。

イングランドは新たな抗体検査を認可

しかしこのほど、過去に新型ウイルスにかかったか、免疫を持っているかを調べられる新たな抗体検査が、イングランドでの利用認可を受けた。

ボリス・ジョンソン首相は先に、抗体検査は新型ウイルスの封じ込めの「転換点」になるかもしれないと話している。

イギリスのCOVID-19検査プログラムを主導するジョン・ニュートン教授は、抗体検査は「過去の感染を示す信頼できるマーカー」であり、「将来の感染への免疫を示す」助けになるだろうと述べた。

一方で、「抗体の存在がどの程度、免疫につながるかはいまだ不透明だ」と警告している。

スコットランドとウェールズ、北アイルランドはそれぞれに検査の認可権を持つが、イングランドが導入すればこれに続く可能性が高い。

イングランド副主任医務官のジョナサン・ヴァン・タム教授は首相官邸での定例会見で、抗体検査は「実用的になり次第、数日から数週間の間に急速に導入される」だろうと述べた。

また、「まずはNHS職員と介護従事者に焦点を当てることになるだろう」としている。


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(英語記事 'One in 400' people in England has coronavirus

提供元:https://www.bbc.com/japanese/52671874

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