森脇との方向性の違いで「猿岩石」を解散した04年ごろから『内村プロデュース』に度々出演、ここで「猫男爵」「笑わないキング」といったキャラクターが生まれた。05年秋、『ものまねバトル』に初出場して以降、哀川翔、石原軍団、桃井かおりなどのモノマネが評価され、全国ネット番組に再登場し始めた。さらに「イジリ芸人」「毒舌芸人」として多くのバラエティ番組に出演するようになるのである。そして11年の「テレビ出演本数ランキング」(ニホンモニター調査)では、499本と第1位になった。2位のビビる大木とは3本差だったが、今年はダントツで連覇を果たしそうだ。ここまで「V字(U字?)回復」を果たしたお笑い芸人は極めて珍しい。
系列局奮闘もキー局の実績に結び付かず
こうなると常識的には、有吉の人気回復に一役も二役も買ったRCCのキー局TBSが有吉出演番組を最も多く確保するのではと考えるのだが、実際はそうではない。今週の改編前を見ると、フジテレビ系と日本テレビ系が毎週6本で並び、5本でテレビ東京系が追いかけ、TBS系が4本で続いている。系列局の奮闘がそのままキー局の実績に結び付かないところが、収益、視聴率ともに下位に沈むTBSの現状を象徴しているのかもしれない。
さて「猿岩石」で一発当てた当時の有吉の月収は2000万円(推定)。「一発屋」から「二発屋」に進化した現在は、その2倍以上(同)の月収を稼いでいると言われる。「広島県出身の有名人と言えば何たって有吉」と言われる今、有吉は県や広島のメディア、「竜兵会」に恩返ししなければならないだろう。平均視聴率最低という「記録」に残りそうな『平清盛』とは180度異なる形で(人気と年収という)「記録」に残るだけではなく、視聴者の「記憶」に残るために。「おいしい」の一歩手前の「おしい!」芸人で終わらないためにも。
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