2024年7月13日(土)

佐藤忠男の映画人国記

2012年12月27日

 若手では古厩智之監督が塩尻市の出身である。「まぶだち」(2001年)という田舎の町の中学生たちを描いた秀作があるが、郷里のイメージだろうか。

 こうしてみると長野県はすぐれた監督を輩出していると言える。

 女優では古いところで昔の松竹大船を支える名脇役のひとりだった岡村文子(1898−1976年)が上高井郡川田村(現長野市)。石坂洋次郎の「若い人」の最初の映画化(1937年)でエキセントリックな女学生を演じた市川春代(1913-2004年)が長野市。現役では強い個性を発揮している阿木燿子も長野市。作詞家としてすぐれているが女優としても「家族ゲーム」(1983年)の謎めいた女など、とても魅力的だった。堅実な演技力で目立った金久美子(キム・クミジャ/1958−2004年)が佐久市である。同じ佐久市出身の前述の崔洋一の「月はどっちに出ている」(1993年)にも出ていた。

 男優では上条恒彦が東筑摩郡朝日村。うたごえ喫茶から歌手になり、舞台のミュージカルの「屋根の上のバイオリン弾き」の主役を森繁久彌から引き継ぐような大きな存在になった。

 テレビの「まんが日本昔ばなし」の声で親しまれている常田富士男は木島平村の生まれである。こわもての個性的な脇役の田中要次は木曽町の生まれ。地元のJR職員から映画の照明係になり、役者になった。伊那市生まれの羽場裕一は主に舞台で活躍しているが映画でも「幸福な食卓」(2007年)などに出ている。 (次回は石川県)

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