2024年6月24日(月)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2012年12月27日

2013年の世界経済、回復は緩やか

図表1 先進国の構造的プライマリーバランス
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 2012年の世界経済は、欧州の債務危機が大きな影響を与えた年だったといえる。EUの財政緊縮はGDP比で1.5%にも及び(図表1)、欧州経済停滞の主因となるとともにユーロ安や欧州諸国の輸入減少を通じて世界経済減速の要因ともなった。

 欧州向け輸出の鈍化につれて、中国やアジア等新興国経済も減速した。中国の経済成長に占める外需寄与度は2006年当時4%あまりあったが、足元では1%程度にまで縮小し、中国経済減速の大きな要因となっている(図表2)。

図表2 中国:実質GDP成長率の内外需別内訳
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 日本も例外ではなく、復興需要とともに外需にも依存してきた日本の景気は、エコカー補助金終了にともなう消費減退といった要因もくわわって後退局面入りとなった。

 他方、堅調な景気が持続した主要地域・国もある。アメリカ経済は、リーマンショック後4年を経て、住宅市場の調整が大きく進んだことから、住宅着工件数や住宅価格はますます回復基調を明確なものとしている。雇用環境の改善から消費は底堅く、消費マインドも良好だ。

 2013年も、主要国では引き続き財政健全化が大きな課題となり、世界経済の回復は緩やかなものにとどまろう。欧州主要国にくわえてアメリカも例外ではない。アメリカでは財政の崖の影響を軽減すべく与野党が協議を進めているが、妥協しても影響は軽減されるだけで、なくなることにはならない(図表3)。

図表3 米国:財政の崖の影響 (米議会予算局試算)
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