2024年4月20日(土)

佐藤忠男の映画人国記

2013年2月14日

『パッチギ!特別価格版』DVD発売中 
\2,079 (税込) 発売・販売元:ハピネット
(c)2004「パッチギ!」製作委員会

 戦前には新劇といえば左翼が主流だったが、佐賀善兵(1909~1989年)はその出身である。1929年、左翼劇場という劇団に入って初舞台を踏み、戦後には東宝の俳優として有名な東宝争議で労働組合の幹部として活躍した。それで東宝を一緒に辞めた同志の山本薩夫監督(1910~1983年)などと独立プロにこもって左翼独立プロ映画でもっぱら政財界の大立者などを悪役として演じた。いささか型どおりの敵役だったと言えなくもないが、見事に一貫した俳優人生だったとも言える。

 現役の格好いい俳優としてはまず鹿賀丈史をあげないわけにはゆかない。やはり新劇系だがミュージカルで大きくなった劇団四季で修業し、スターになった。映画では凄味のある男の案外な人の良さといった役柄がとくに良くて「麻雀放浪記」(1984年)などが忘れ難い。

 そして塩谷瞬。「パッチギ」(2005年)の高校生の行動的で純情な役あたりから注目され、順調に演技派として伸びている。

 女優の若手では田中美里。モデルからNHKの朝の連続ドラマ「あぐり」の主役に起用された。石川県関連では「能登の花ヨメ」(2008年)で主演している。

 以上、みんな金沢市出身である。(次回は群馬県)

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