日本にとって最大の関心は、二期目のオバマ政権が、アジア回帰政策を継続、推進する意図があるかどうかです。
クリントンが、実質的には中国包囲網政策であるアジア回帰政策を唱導し始めてから、オバマがそれを公式的政策と採用するまで、二年近くを要しています。この間、クリントンは、アジア回帰政策は、オバマ政権発足以来の基本方針だという建前を、常に取っていました。こうしたことから考えると、アジア重視というのは、本来はオバマ側近が望む政策ではなかったように思われます。
しかし、すでに闡明された政策であり、継続せざるを得ないことに変わりはないでしょう。ただし、十分な予算措置をつけられるかどうかは、大きな疑問符がつきます。
このアジア回帰政策を継続させるためにも、同盟国日本の協力姿勢、すなわち防衛費の増額と集団的自衛権の行使を柱とする日本の外交的努力が、従来以上に肝要となってきます。こうした自助努力をしてはじめて、米議会や言論界に働きかける前提が整うことになります。
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