2022年9月27日(火)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年3月17日

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奥山真司 (おくやま・まさし)

国際地政学研究所上席研究員

国際地政学研究所上席研究員。青山学院大学国際政治経済学部非常勤講師。カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学卒業。英・レディング大学大学院で修士、博士号(戦略学博士)を取得。

「Wedge」2021年6月号に掲載され、好評を博した特集「押し寄せる中国の脅威 危機は海からやってくる」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
※年号、肩書、年齢は掲載当時のもの
米ソが衝突した1962年のキューバ危機は、米国の「内海」カリブ海にソ連が手を出した構図として読み解ける (PHOTO BY GETTYIMAGES)

 米中新冷戦の中、いまや紛争は「起こるかどうか」ではなく「いつ起こるか」の局面にシフトしていると言っても過言ではない。

 このような事態は、歴史を戦略的に読み解く地政学の理論家たちはすでに見通していた。 米国で活躍したオランダ出身の地政学の理論家にニコラス・スパイクマンという人物がいる。彼は太平洋戦争の最中である1942年に出版した著書『世界政治の中の米国の戦略』(America's Strategy in World Politics)の中で、南シナ海での米中衝突が不可避であることを主張しているのだ。

 ここでカギとなる概念が「アジアの地中海」というものだ(下図参照)。具体的には「台湾、シンガポール、オーストラリア北端のヨーク岬半島に位置するトレス海峡を結ぶ三角形」にある海域である。スパイクマンは、この地中海では「中国が経済的に強力になれば、その政治的影響力も同じように大きくなる。そしてこの海域が、英国、米国、そして日本のシーパワーではなく、中国のエアパワーによって支配されるようになる日が来ることを予測することさえ可能だ」と言い切っている。

「逆さ地図」で見る海の地政学
図版作成・atelier PLAN 写真を拡大
中国海警局などの船が毎日のように尖閣周辺海域に侵入している
(出所)海上保安庁資料を基に作成 写真を拡大

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