2022年10月2日(日)

バイデンのアメリカ

2022年3月14日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 ロシアのウクライナ侵略以来、米専門家の間で、中国が台湾政策の再考を余儀なくされてきたとの見方が出始めている。その背景として、世界が、同じ専制国家である中国による台湾侵攻に対しても、一段と警戒を強めて来たことがある。

(ロイター/アフロ)

 これまで、ロシアとの「戦略的パートナーシップ」を強めてきた中国は、今回、ロシアのウクライナ侵攻を受けて緊急招集された国連総会で、世界141カ国が賛成票を投じたロシア非難決議に対し、賛成でもなく反対でもない「棄権」に回った。

 中国習近平国家主席は、そのひと月前に、北京を訪れた露プーチン大統領との首脳会談で、「双方にとって核心的かつ共通の利益を支持し合い、守っていく」との決意を表明したばかりだった。

 にもかかわらず、中国が、プーチン大統領にとって明らかに「核心的利益」であるはずのウクライナ侵略を国連の場で支持しなかったこと自体、世界の目が早晩、台湾問題に飛び火し、中国をロシア同様の〝悪の枢軸〟扱いにすることを警戒したからに他ならない。

中国の予想に反した自由主義諸国の対応

 実際、ウクライナ侵略以来、欧州、日豪などのアジア諸国含め多くの自由主義諸国が米国との緊密な連携の下に、ロシアの「蛮行と非道」を一斉に非難、驚くべきスピードで広範囲にわたる経済、金融制裁措置を打ち出し始めた結果、ロシア経済は今や、破綻寸前の状況に直面しつつある。

 また今後、ロシア軍がウクライナ全土を制圧したとしても、1979年アフガニスタン侵攻時と同様、占領は長期化を強いられることは必至であり、最後はロシア国自体が、反露国際包囲網の締め付けで解体の危機に直面するシナリオもあり得る。

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