2024年米大統領選挙への道

2022年3月11日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

 今回のテーマは「『プーチンの戦争』から『プーチンとバイデンの戦争』に変わるのか?」である。ジョー・バイデン米大統領が掲げてきた「民主主義VS専制主義」の対立構図がロシアとウクライナの戦争を通じて、目に見える形になった。そのような状況下で行われた3月1日の一般教書演説後、バイデン大統領の支持率に変化がみられる。

 なぜ支持率が上昇したのか。バイデン大統領のウクライナ対応に関して、野党共和党はどのような主張をしているのか。また、バイデン氏はさまざまな経済制裁をロシアに科しているが、制裁カードがなくなったとき、どのような決断を下すのか――。

昨年4月ジュネーブで行われた米露首脳会談(AP/AFLO)

バイデンの支持率上昇

 米公共ラジオ(NPR)、公共放送(PBS)およびマリスト大学(東部ニューヨーク州)の共同世論調査(22年3月1~2日実施)によれば、バイデン大統領の支持率は47%で、不支持率は50%であった。同年2月の同調査では支持率が39%まで落ち込んでいたので、8ポイント上昇したことになる。マリスト大学の世論調査は「A」ランクの評価を得ており、信頼度が極めて高い。

 一般教書演説でバイデン氏は、「多くの家族が物価高騰で苦しんでいる。私はそれを理解している。最優先課題は物価をコントロールすることだ」と明言した。さらに、育児支援と薬価の引き下げについても言及し、国民生活のコスト負担を下げると強調した。米国民はこれらのバイデン氏の約束に好感を抱いたのだろう。

 バイデン大統領の政策別支持率もみてみよう。経済政策に関する支持率は2月の調査結果と比較すると9ポイント、新型コロナ対応は8ポイント上がった。米労働省が3月4日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から67万8000人増えた。失業率は3.8%に低下した。

 バイデン氏は家庭用簡易抗体検査キットに加えて、コロナ治療薬までも無料で配布すると発表した。この新しいコロナ対策が評価されたとみてよい。

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