2024年4月16日(火)

2024年米大統領選挙への道

2022年3月11日

 今回のテーマは「『プーチンの戦争』から『プーチンとバイデンの戦争』に変わるのか?」である。ジョー・バイデン米大統領が掲げてきた「民主主義VS専制主義」の対立構図がロシアとウクライナの戦争を通じて、目に見える形になった。そのような状況下で行われた3月1日の一般教書演説後、バイデン大統領の支持率に変化がみられる。

 なぜ支持率が上昇したのか。バイデン大統領のウクライナ対応に関して、野党共和党はどのような主張をしているのか。また、バイデン氏はさまざまな経済制裁をロシアに科しているが、制裁カードがなくなったとき、どのような決断を下すのか――。

昨年4月ジュネーブで行われた米露首脳会談(AP/AFLO)

バイデンの支持率上昇

 米公共ラジオ(NPR)、公共放送(PBS)およびマリスト大学(東部ニューヨーク州)の共同世論調査(22年3月1~2日実施)によれば、バイデン大統領の支持率は47%で、不支持率は50%であった。同年2月の同調査では支持率が39%まで落ち込んでいたので、8ポイント上昇したことになる。マリスト大学の世論調査は「A」ランクの評価を得ており、信頼度が極めて高い。

 一般教書演説でバイデン氏は、「多くの家族が物価高騰で苦しんでいる。私はそれを理解している。最優先課題は物価をコントロールすることだ」と明言した。さらに、育児支援と薬価の引き下げについても言及し、国民生活のコスト負担を下げると強調した。米国民はこれらのバイデン氏の約束に好感を抱いたのだろう。

 バイデン大統領の政策別支持率もみてみよう。経済政策に関する支持率は2月の調査結果と比較すると9ポイント、新型コロナ対応は8ポイント上がった。米労働省が3月4日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から67万8000人増えた。失業率は3.8%に低下した。

 バイデン氏は家庭用簡易抗体検査キットに加えて、コロナ治療薬までも無料で配布すると発表した。この新しいコロナ対策が評価されたとみてよい。


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