手持ちの制裁カードがなくなったときバイデンは……
バイデン大統領は一貫してウクライナに米軍を派遣しないと言い続けている。米国では世論も同国への米兵士の派兵に否定的だ。
しかし、仮にロシアのウクライナ侵略が長期化し、手持ちの制裁カードがなくなったら、バイデン大統領はどのような手を打つだろうか。
たとえそのような状況に置かれても、バイデン大統領はウクライナに米兵を派兵して「プーチンの戦争」から「プーチンとバイデンの戦争」に変える意思は低いかもしれない。バイデン氏は演説で「プーチンの戦争」という言葉を繰り返し使用しているからだ。
だが、ウクライナの子どもや女性の悲惨な光景の映像および写真やストーリー(物語)が、今後バイデン氏の心を動かさないとは断言できない。最初の妻と娘、長男を亡くしたバイデン氏は感情移入の能力が高いからだ。
近い将来バイデン大統領は政策転換すべきか、深いジレンマに陥るかもしれない。そのとき、バイデン氏は極めて困難な決断を迫られることになる。