バイデンのアメリカ

2022年3月9日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 ロシアによるウクライナ軍事侵攻の暴挙に関連し、決定を下したプーチン露大統領の精神状況に疑問を投げかける指摘が、米連邦議員の間から出始めている。米政府当局も重大視し、中央情報局(CIA)など各情報機関に対し、全力を挙げ、関連情報の収集と分析を急ぐよう指示した。

(AP/アフロ)

 CIA、国防情報局(DIA)など各情報機関責任者は先月24日、ロシア軍侵攻開始以来、刻々と変わる戦況、クレムリン内部の動きなどに関し、政府のみならず、連邦議会情報委員会当局に逐次秘密ブリーフィングを行ってきた。その中で最近、重要関心事の一つとして、プーチン大統領個人の「精神状況」がクローズアップされてきたという。

 説明を受けてきた議員の一人、マルコ・ルビオ上院情報特別委員会副委員長は今月1日、この問題について報道陣に次のように語った:

 「われわれは、プーチンが閣議や側近とのやりとりの場において、苛立ち、憤りの感情をあらわにするのをビデオで見て、『冷血だが周到な計算に基づく殺害者』である彼の様子が最近、すっかり変貌してきたことを憂慮している」

 「プーチンがこれまで常に重きを置いてきた自分の特性の一つは、感情コントロールであり、決して自分の感情を表に出さない抑制能力だった。しかし、ここ最近の動作、表情をビデオで観察するかぎり、怒りを爆発させる場面が見受けられる。これまでのプーチンとは性格的にも異なるものだ」

 「そこでわれわれが心しなければならないのは、彼が10年や15年前のさまざまな事態にどんな対応をして来ようが、今、同じ行動に出るとは限らないということである。また、そのことのゆえに、われわれは極めて危険な局面に直面していると言える」

 「これ以上、子細に立ち入ることはできないが、最近、『プーチンの身から何かが外れた(something is off Putin)』状態に置かれており、彼が5年前と同じ行動に出ると思うのは間違いだ」

 また、同様のインテリジェンス・ブリーフィングを受けてきたチャック・グラスリー上院議員も、プーチン大統領の精神状況問題が米側の重大関心事になってきていることを認めるとともに「詳細について触れることはできないが、私は個人的にも、彼の〝心のありよう〟を心配している」と語った。

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