2022年8月14日(日)

BBC News

2022年7月22日

»著者プロフィール

トルコは21日、ウクライナによる黒海経由の穀物輸出を再開させることで、ロシアと合意したと発表した。

この合意は、ウクライナ、ロシア、トルコ、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、22日にイスタンブールで文書に署名する予定。

トルコのイブラヒム・カリン大統領報道官は、「世界の食糧安全保障にとって極めて重要な穀物輸出の合意が、(レジェプ・タイイップ)エルドアン大統領とグテーレス国連事務総長の仲介のもと、ウクライナとロシアの代表団らと一緒にイスタンブールで署名される」と述べた。

実現すれば、ロシアが2月24日に侵攻を始めて以降で最初の、ロシアとウクライナの重要な合意となる。

侵攻が始まって以降、ウクライナの穀物が世界的に不足しており、数百万人が飢餓の危機にある。

食糧価格は侵攻の影響で高騰。ウクライナの港湾の封鎖解除の合意は、極めて重要となっている。オデーサの貯蔵施設には、穀物約2000万トンが滞留している。

合意の中身

関係する外交官らによると、合意には以下が含まれる。

  • 機雷が敷設された港付近の海域では、ウクライナの船が穀物輸送船を誘導する
  • 輸送中、ロシアは休戦に同意する
  • 国連の支援を受けて、トルコが輸送船を検査し、武器密輸に対するロシアの懸念を軽減する

今回の合意には、黒海経由のロシアの穀物や肥料の輸出を促進する目的もあるとされる。

「まだ合意していない」

ウクライナ外務省は、穀物輸出の封鎖解除のための国連主導の別の協議が22日にトルコで開かれ、文書が「署名されるかもしれない」とした。

ただ、事情を知るウクライナの国会議員オレクシー・ホンチャレンコ氏は、合意は確実ではないと、BBCラジオ4の番組「ワールド・トゥナイト」で述べた。

「まだ合意はしていない」、「私たちはロシア人を全く信用していない。明日まで最終的な決定を待って、ロシアからの反発や直前の変更がないか見定めよう」。

「明日、合意に至り、ロシアがそれを本当に尊重することを祈っている」

アメリカは歓迎

ウクライナのセルヒー・キスリツァ国連大使は、合意の細部こそ重要だと指摘し、まだすべての関係者が内容を検討中だとした。

同大使は、合意が結ばれ履行されれば、「相当な数の船がウクライナの港を出入りでき、搬出準備ができている穀物約2000万トンを輸出できるようになる」と、BBCワールド・ニュースに話した。

また、安全確保と合意の実施状況の監視において、トルコが非常に重要な役割を果たすと付け加えた。

一方、アメリカの国務省は、国連の仲介による今回の合意を歓迎。ロシアに履行を求めていくとした。

同省のネッド・プライス報道官は、「そもそもこうした状況が起こるべきではなかった。食料を武器にするという、ロシア側の意図的な判断がもたらしたものだ」と話した。

ロシアは妨害を否定

国連とトルコは2カ月にわたり、合意の仲介に取り組んできた。

ロシアは、ウクライナの港湾を封鎖していないと主張。ウクライナによる海上での機雷設置が問題だとし、ロシアの輸出も西側の制裁が原因で減速していると非難している。

一方、ウクライナは、ロシア海軍が穀物などの輸出を妨げていると批判。ロシア占領軍について、ウクライナの農場から穀物を盗んでいると非難している。

(英語記事 Ukraine and Russia 'poised to sign grain deal'

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62261226

関連記事

新着記事

»もっと見る