今年で10回目の開催となる同賞は、出版業界の活性化のため、年に一度全国の書店員の投票によって選出される「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」がキャッチコピーの文学賞。昨年は三浦しをんさんの『舟を編む』が受賞した。
大賞に選ばれた百田さんは、2006年に『永遠の0(ゼロ)』で小説家デビュー。今回、大賞を受賞した『海賊とよばれた男』は、出光興産の創業者・出光佐三氏をモデルにしたノンフィクションノベルで、1953年の「日章丸事件」をモデルにした歴史経済小説。
受賞した百田さんは「モデルとなった出光佐三さんや、彼を支えた出光興産の男たち、彼らだけでなく敗戦後の日本を復興させようと努力をした多くの人たち、その生き方が本当に素晴らしい。私はその生き方をなんとか忠実に筆にしたい思って書いただけ」と語り、「感無量です」と受賞の喜びを噛み締めた。
2013年の本屋大賞にはその他に、横山秀夫さんの『64(ロクヨン)』、原田マハさんの『楽園のカンヴァス』、中脇初枝さんの『きみはいい子』、西加奈子さんの『ふくわらい』などが候補として上がっていた。
当日は「翻訳小説大賞」も発表。国内で発刊されたオリジナル翻訳小説の中から、テア・オブレヒトさん(藤井光さん訳)の『タイガーズ・ワイフ』(新潮社)が受賞した。
大賞を受賞した百田さん
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受賞者である百田尚樹さんの謙虚な受賞の言葉が心に残ります。