日本の田植え後の水田は、生き生きとした緑の苗の直線が美しく見えます。3月末、育苗箱(いくびょうばこ)に播くための種を冷たい水に浸し水を含ませます。その種を温めて発芽を促進し育苗箱に播きます。ビニールハウスで約3週間育てた後、田んぼに移植します。
田植えをする水田は土が乾いた時に、トラクターで耕し始めます。耕す前あるいは後に稲が育つのに必要な肥料を散布します。耕した水田には水を入れ平らにならす「かき」(田植え前の整地)作業を行います。この作業は長さ12~15センチの苗1株当たり3~4本を、1センチ程度の深さに、正確に植えていくための「移植床」つくりです。
最近は田植えも6条(植え付けする数)あるいは8条の大型田植え機が普及し、1時間当たり1.5ヘクタールの移植作業ができるようになりました。ただ、簡易温室で育てた1箱3キロの土の付いた苗(1ヘクタール当たり150箱)を水田まで運び、田植え機に載せるまでの作業は、体力を使うきつい作業です。
飛行機で種を播いても 整列して生えるわけ
一方、カリフォルニアの春の水田地帯には飛行機の轟音が響いています。種播き作業は4月中旬から1カ月続きます。水田に稲をつくる準備は、土を耕しその塊を小さくするところから始まります。土の乾きを促すため、大型トラクターで土を反転させます。その土は湿って大きな塊になりますが、1週間ほどで表面が乾いてきます。そこで塊を小さくするディスクプラウをかけて土を砕きます。さらに土を砕き乾かすために砕土用ディスクをかけます。
水田の土を乾燥した細かい状態にすることで、種を播くための「播き床」が作れるようになります。ここから、ランドプレーン(簡易均平機)あるいはレーザーレベラー(均平機)をかけ、田んぼの表面をならす作業を行います。最近は、GPSによって水田の表面の高低を測定しながら均平作業を行う装置も一般的に使われるようになってきました。