鄥将軍は世界初の模擬計算機の研究開発を率いた経験があり、メディアでは「中国大容量プログラム自動制御電話交換機の父」と呼ばれている。300万元(現在の価値で1億円超:筆者)の資金で15人の研究グループを率い6年で西欧と同性能の電話交換機を開発した。この技術により、電話交換機価格がライン1本当たり500ドルから30ドルに下がり、家庭電話器の設置費用を大幅に下げることが可能になり、1995年には政府に表彰された。
「圧倒的優位を誇る米国
中国は追いつくべく奮闘中」
*以下インタビュー発言
最近、ヨーロッパの政府高官への携帯電話盗聴が暴露されてネット・セキュリティへの関心が高まっている。アメリカや韓国でサイバー軍司令部が設立され、サイバー競争が白熱化し、中国は懸念を抱いている。スノーデン事件は正常でない挑発には正常でない方法で対処しなければならないと警鐘を鳴らしている。
アメリカは計画的、体系的、全面的に準備を整えているから、中国は個別的、無秩序にではなく、体系的に対抗すべきである。サイバー戦は核ミサイルよりも脅威なのに、中国にはサイバー軍がないためネット空間は無防備状態だ。ネット・セキュリティがこれほど多く注目を集めるのにはいくつか理由がある。
(1)社会が情報化時代に入り、情報システムやAI(人工知能)への依存が高まりつつある。ハッカーや非政府組織がウイルスや「トロイの木馬」ウイルスで攻撃を行い、個人のプライバシーや企業の商業秘密、国家機密、軍事機密への侵害もある。(2)パソコン端末を使用する限り、ウイルスやトロイの木馬の感染は不可避だ。(3)個人のプライバシー情報も商業価値の需要増加ポイントと見られるようになっている。(4)国を挙げてサイバー戦、情報戦の新たな戦争理論や技術を研究し、発展させている。(5)マニアや利益を目論む者、非政府組織が、ネット攻撃技術を濫用したり悪ふざけを行ったり、売り手、買い手となり、体系的商業行為を行うまでになっており、人々のネットワーク空間への不安や恐怖を煽る側面もある。
中国はサイバー・セキュリティで遅れが顕著で追いつくべく奮闘中だ。技術先進国は、情報技術やインターネット空間でも優勢であり、米国は圧倒的優位を誇る。彼らの戦略目標はサイバー空間行動の絶対的自由が制限を受けないよう圧倒的技術優位でサイバー空間を左右することだ。中国はハードウェア、ソフトウェア、機器、そしてシステムの大部分を米国等の先進国に依存している。エネルギー、交通、金融など国の重要部門も外国のソフトウェア、ハードウェア製品を使用しており、技術レベルでは不利な状況だ。