ロシアとの戦闘を続けるウクライナは29日、16万人の追加動員を行う方針を明らかにした。ウクライナ東部ドネツク州ではロシア軍が前進を続けている。
ウクライナ国家安全保障防衛会議のオレクサンドル・リトヴィネンコ書記は29日の議会で、「16万人以上を招集する計画がある」と明らかにした。
AFP通信によると、招集は3カ月かけて行われる予定だという。
ウクライナは8月に開始したロシア西部クルスク州への越境攻撃に人員を投入し続けている。こうした中、追加動員の方針が発表された。
ロシアは29日、ドネツク州の鉱山の町セリドヴェを完全に占領したと発表した。
ロシア軍をめぐっては、多数の北朝鮮兵士が同軍に配備されたとの報道もある。
ロシア軍にはより多くの人員と資源があることなどから、ウクライナ軍はこのところ厳しい状況に置かれている。
ウクライナ議会は4月、侵攻を続けるロシア軍と戦うための兵士動員に関する改正法案を賛成多数で可決していた。
同法は25歳から60歳までのすべての男性について、招集が可能になるように電子データベースに自身の詳細を記録することを義務づけてる。徴兵担当者は登録を避ける人々を追跡しており、兵役に就きたくない男性たちはますます身を隠そうとしている。
今回の措置はロシアがウクライナ東部で前進する中、厳しい状況のウクライナ軍の人員を増やすことを目的としている。
ロシア政府は、自軍は現在ドネツク州セリドヴェ全域と周辺の村々を占領し、同州ポクロフスクに注力しているとしている。
北朝鮮兵がロシア西部入りの情報
アメリカ国防総省はロシア東部での訓練に約1万人の北朝鮮兵が派遣されたと推定している。
アメリカは29日、「少数の」北朝鮮兵がクルスク州に派遣されたと発表した。さらに数千人規模の部隊が同州へ向かっているという。
韓国も、北朝鮮兵がさまざまな場所で訓練を受けているとし、その多くはロシア軍の制服を着て変装していると主張している。
ある政府高官は最大1万1000人の北朝鮮兵がすでにロシアに派遣され、少なくとも3000人がロシア西部に派遣されているとの見方を示した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先週、北朝鮮部隊のロシア到着を否定しなかった。北朝鮮政府がロシア支援のため数千人規模の部隊を派遣する準備をしているとの報道を受け、記者会見で質問に答えた。