パレスチナ・ガザ地区北部のベイトラヒアで17日、イスラエル軍が5階建ての集合住宅を空爆し、少なくとも34人が殺害された。現地の民間防衛隊が発表した。
民間防衛隊はAFP通信に対し、死者の多くは女性や子供だと述べた。また、数十人が今も、がれきの下に埋もれている可能性があるという。この空爆では7人が負傷した。
また、ガザ中部では難民キャンプ3カ所に攻撃があり、15人が殺されたほか、南部ラファではイスラエルのドローン(無人機)で5人が殺害されたという。
同隊のマフムード・バッサル広報担当は、「銃撃と砲撃が続いているため、負傷者救出の可能性は下がっている」と述べた。
ベイトラヒアの集合住宅はがれきの山となり、壊れたコンクリートやねじれた鉄骨などが、飛び出ているだけの状態になっている。
この建物に家族が住んでいたという男性はAFP通信に対し、「みんな死が近いと感じた」、「一帯が揺れていた」と語った。この男性の家族は攻撃当時、別の場所にいたという。
イスラエルはガザ北部での作戦について、ハマスの再編を阻止するためだとしている。
イスラエル軍は、ガザ北部での攻撃をジャバリアからベイトラヒアへと広げている。17日の夜には、「この地域におけるテロリスト拠点」と呼ぶものを攻撃したと発表した。
また、「民間人を戦闘地域から避難させるため、継続的に取り組んでいる」と付け加えた。
しかし、多くの住民は自宅を離れたくないと話している。民間防衛隊のバッサル氏によると、ベイトラヒヤで破壊された建物には6世帯が住んでいたのだという。
住民の女性はBBCに、「私たちがあなたたちに何をした? 私たちはあなたたちにどんな害を与えた? 私たちはどんな悪いことをしたというの? 私たちは家にいるだけ、なぜ私たちを追い出すの?」と力説した。
先週には、ジャバリアの民家に対する空爆で少なくとも25人が殺された。うち13人は子供だったという。 ガザ市でも5人が殺害された。
イスラエル軍はガザ北部での地上作戦を継続し、この5週間で最大13万人が家を追われている。
ガザ北部のジャバリア、ベイトラヒア、ベイトハヌーンでは7万5000人が包囲されたまま、水や食料の供給が減少しつつあると、国連は指摘している。
人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は今週、イスラエルがガザ地区のパレスチナ人を意図的に大量に強制退去させることで、戦争犯罪および人道に対する罪を犯したする報告書を発表した。
国連によると、ガザでイスラエルとハマスの戦闘が始まってからの1年で、ガザ人口の9割にあたる約190万人が家を追われた。ガザの79%がイスラエルによる避難命令の対象地域になっている。
ハマスは昨年10月7日にイスラエル南部を奇襲し、約1200人を殺害、251人を人質に取った。これを受け、イスラエルはガザで軍事作戦を開始した。
ハマスが運営するガザ保健省によると、ガザではこれ以来、4万3700人以上が殺害されている。
(英語記事 At least 34 killed in Israeli strike in northern Gaza)