2024年11月18日(月)

バイデンのアメリカ

2024年11月18日

 先の米大統領選で物議をかもしていた共和党右翼グループの文書「Project 25」に代わり、トランプ氏自身がこれまでに開陳してきた次期米政権の政策指針「Agenda 47」が改めて米マスコミの関心を集めている。

トランプ氏自らが公約を語っている「Agenda 47」に注目が集まっている(公式ホームページより)

トランプによるビデオ・メッセージ

 「Project 2025」報告書(920頁)は、ワシントンの保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」が「次期政権の青写真」と銘打ち、昨年4月に刊行、次期共和党政権を担う側近、関係者を中心にコピーが回覧されてきた。

 報告書の執筆、編集には、トランプ前政権当時の上級官僚、スタッフたち多数が参加。外交、内政全般にわたり、政権発足と同時に打ち出すべき具体的内容が盛り込まれた。

 しかし、大統領選最中の今年7月、報告書の意義について、総指揮をとった同財団のケビン・ロバーツ理事長が、武力も辞さない“第二次米国革命”を示唆するかのような過激な発言をしたことをきっかけに、ハリス陣営のかっこうの攻撃材料となり、同理事長と親交のあるトランプ氏自身もマスコミの批判にさらされ続けた。

 このため、トランプ氏は「報告書のことは何も知らない」「内容も自分の見解と異なる」などとして距離を置いてきた。

 それ以来、トランプ氏勝利確定後の最近に至るまで、「Project2025」の存在そのものも、話題に上らなくなった。ワシントン政界では、「すでに反故にされた」との見方が広がっている。

 代わって改めて注目され始めたのが、「AGENDA 47」に他ならない。

 「AGENDA 47」の最大の特徴は、シンクタンク、全国共和党委員会などの外部組織ではなく、トランプ氏自身が「次期トランプ政権」の基本的政策について、自らの言葉で「公約」として見解を示した点にある。

 それだけに、来年1月20日、大統領正式就任後、公約達成に向けて直ちに新政権が具体的に始動することになる。


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