このプランは、私が1期目で実行した貿易不均衡是正のための「北米自由貿易協定」(NAFTA)に代わる「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)の歴史的成功に依拠した新たなる「戦略的国家生産イニシアチブ(Strategic National Manufacturing Initiative)」の中核をなすものである。加えて、経済および国家安全保障の観点から、私は最重要の業界の対中国依存を完全に終わらせるための大胆な一連の通商政策改正に取り組む。
まず、中国を『最恵国待遇』の対象から外す。そして、4年間で段階的に、エレクトロニクスから鉄鋼、医薬品に至るまであらゆる重要製品の輸入に終止符を打つ。
この措置の中には、今は生産していないが今後突如として生産に乗り出すであろう“中継国”経由での対米輸出に対する厳格な禁止措置も含まれる。さらに我々は、米国企業による対中国投資、そして中国による米国企業買収を終わらせるための新たなルールを採用する・・・。
しかし、アメリカ・ファーストではなく、アメリカ・ラストに依拠したバイデン政権の中国寄り政策を終わらせたとしても、我々はこれまで同様、中国と良い関係を続けていくことになる。なぜならば、以前にそうであったように、中国は再びわが国をリスペクトすることになるからだ」
アメリカをより強く
〈軍事政策〉
「バイデン政権は、ウクライナ支援に関連して、クラスター爆弾使用目的で予備兵の欧州派遣を決めた。これは、我が国の兵力不足を意味するものだが、事実だ。
今日、米軍に加わる若者たちは減少しつつある。トランプ第一次政権当時、私は合衆国軍隊を完全に立て直し、アメリカを強靭なグローバル・ポジションに導いた。
ところが今や、軍事備蓄は底をつき、財政は枯渇し、兵力数は減少の一途をたどり、我が国は世界の笑いものとなっている。こうした現状で、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加入を論じることなど尋常ではない。
私がホワイトハウスに戻ったら、即その日のうちに、アメリカの国益を最優先する外交政策に立ち帰る。アメリカの東欧における最大の利益は、平和と安定にある。ウクライナ戦争は決して起こるべきではなかった。しかし、この無意味な死と破壊に終止符を打つべき時がとっくに来ている。
我が国はウクライナ支援のためにこれまでに2兆ドル近くも費やしてきた。これに対し、欧州の出費はそのほんの一部にも満たない。私は欧州に対し、対ウクライナ戦略備蓄の立て直しに投じてきた費用をわが国に払い戻すよう求める。私は、我が国軍事力増強のために記録的資金を投入する用意がある。そしてかつてない戦力に立て直す。
過去4年間、軍事費を無駄使いしてきたために、軍隊入隊者も減少し、軍事備蓄も底をつき始めている。我々は今、核兵器と超音速ミサイルの恐るべき脅威にさらされている。
超音速ミサイルはこれまでの6倍ものスピードを持ち、核弾頭を搭載した場合、あらゆる都市、あらゆる国が壊滅させられる。しかも、他国はわが国に対しても核の脅しをかけ始めている。
このままでは第三次世界大戦に突入しないとも限らない。そうした最悪シナリオを回避する最善策は、最先端テクノロジーを駆使した次世代ミサイル防衛システムの建設にある。
我々は米軍指導部、議会との協力の下で、イスラエルに存在する“鉄のドーム(Iron Dome)”同様に、我が国民を核攻撃から守るためのドームを用意する必要がある。私は1期目に、米国史上初の宇宙軍を創設した。我々は再び、アメリカをミサイル攻撃から守るための“盾”を建設に乗り出すつもりだ」
〈エネルギー政策〉
「我々は、『最も入手可能なエネルギー・電力国(most affordable energy and electricity country)』になる必要がある。今日、我々は貧弱で基準以下で入手困難なエネルギーを持っている。
風力発電所は老朽化し、野鳥がその犠牲になっている。コストも膨大だ。ほかにも代替エネルギーがあるが、どれも芳しくない。これらは『Green New Deal』と呼ばれてきたが、私に言わせれば“インチキ・ディール”だ。
私が1期目の大統領だった当時、国内就労者が増えた一つの理由は、エネルギー・コストの劇的低下により事業が増えたからだ。しかし、バイデン政権下で火力発電所に対する様々な規制が加えられた結果、これら事業所が閉鎖に追い込まれた。
一方、エネルギー不足のドイツでは再びこの種の規制を撤廃し、火力発電所を建設しつつある。中国では毎週1カ所のペースで火力発電所が増設され、風力発電とゲームを展開中だ。
我が国のバイデン政権下で代替エネルギー開発が進められてきた結果、電力代は跳ね上がり、従来の火力発電所は閉鎖に追い込まれている。しかし、私が大統領に返り咲いた暁には、アメリカは世界工業諸国中で最低コスト・エネルギー国となり、ナンバー・ワンの国となる。