ドイツとフィンランドは18日、両国を結ぶ海底通信ケーブルが損傷していたことを「深く懸念している」と発表した。
全長1170キロメートルの通信ケーブルについては、現在調査が行われている。
両国の外相は共同声明で、「われわれ欧州の安全保障は、ロシアのウクライナに対する戦争だけでなく、悪意ある者によるハイブリッド戦争によっても脅威にさらされている」と述べた。
今回、損傷が発覚したのは、フィンランドの首都ヘルシンキとドイツ北部ロストックを結ぶ「C-Lion1光ファイバーケーブル」。
フィンランドの通信会社シニアは、すべての光ファイバー接続が切断されていたと発表した。
シニアの広報担当者は地元メディアに「この海域では、外部からの影響がなければこのような障害は起こらない」と話した。
一方、フィンランド政府のサイバーセキュリティ専門家サムリ・ベルグストローム氏は、他のケーブルルートが利用可能だったため、今回の障害は両国間のインターネット接続には影響を与えていないと述べた。
バルト海を通る海底パイプラインをめぐっては近年、破壊工作の懸念が高まっている。
2023年10月には、フィンランドとエストニアを結ぶ天然ガス・パイプラインが大きな損害を受けた。フィンランド当局は後に、中国のコンテナ船がいかりを引きずったことによる出来事だったと説明した。
ドイツの検察当局は、2022年にロシアと欧州を結ぶ天然ガス・パイプライン「ノルド・ストリーム」で起きた爆発事故について、捜査を続けている。この攻撃をめぐっては、ウクライナ、ロシア、アメリカいずれかの政府が関与しているという未確認のうわさが流れるなど、陰謀論が飛び交っている。