ウクライナが米製長距離ミサイルを使ってロシア領内を攻撃することをアメリカが許可したとされることをめぐり、ロシアは18日、そうした攻撃があれば「適切かつ具体的な」対応を取ると表明した。
アメリカのジョー・バイデン大統領は、退任まで2カ月というタイミングで、自国のミサイルを使ったロシア領土への攻撃をウクライナに許可するという、アメリカにとって大きな方針転換をしたと報じられている。
西側諸国では、バイデン氏がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ウクライナでの戦争でプーチン氏が軍事的に勝つことはないと伝えるものと受け止められている。
これを受け、ロシア外務省は声明を発表。自国領土への米製ミサイルによる攻撃は、「アメリカとその衛星国がロシアへの敵対行為に直接関与することを意味する」とした。
プーチン氏は今回の動きについてコメントしていない。同氏の報道官は18日、アメリカが「火に油を注いでいる」と批判した。
ウクライナによる西側ミサイルを使ったロシア領土への攻撃をめぐっては、プーチン氏は9月、そうしたことがあれば、ウクライナでの戦争への北大西洋条約機構(NATO)加盟国の「直接参加」を意味すると述べていた。
ロシアは2022年2月24日にウクライナへの全面侵攻を開始した。19日で信仰開始から1000日がたつ。
現在、戦場では双方が膠着(こうちゃく)状態に陥っているとみられる。ロシアはこのところ、ウクライナのインフラへの攻撃を強めている。
こうしたなか、ウクライナ侵攻をめぐって欧米の制裁を受けているロシアにとって重要なパートナー国家となっている中国の習近平国家主席が、「ウクライナ危機の熱を冷まし」て政治的解決を模索するよう世界のリーダーらに訴えたと、中国国営メディアが伝えた。
中国からロシアに武器が供給されているとの見方を、中国は繰り返しこれを否定している。
トランプ次期米大統領の反応は
バイデン氏が今回の決定に関してドナルド・トランプ次期大統領に相談したのかや、トランプ氏がロシアとウクライナ間の戦争を終わらせるとする自らの公約を守るのかは、定かではない。
トランプ氏はこれまで、バイデン氏の決定について反応を示していない。今月5日の大統領選挙に勝利した同氏は、来年1月20日にホワイトハウスに復帰し、第2次トランプ政権を発足させる。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、この件に関して正式発表はない可能性を示唆し、「ミサイルそのものが語ることになる」と述べた。
ゼレンスキー氏は最近、トランプ氏がウクライナとロシアに圧力をかけ、来年中に和平協定が実現することへの期待を表明している。
(英語記事 Russia vows 'tangible' response if US missiles used against its territory