2024年12月15日(日)

BBC News

2024年11月19日

アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は18日、非正規移民の大規模な強制送還にアメリカ軍を投入する計画があると明らかにした。自分のソーシャルメディアで発表した。

「トゥルース・ソーシャル」で保守派のコメンテーターが、次期大統領は国家非常事態を宣言して「大規模強制送還プログラム」に軍を投入するはずだと投稿したのに対して、トランプ氏は「本当だ!!!」と返信した(太字部分は、原文では大文字)。

トランプ氏は大統領選中、強制送還などを管轄する移民税関捜査局(ICE)の支援に州兵を動員すると、繰り返し約束していた。

次期大統領が史上最大規模の強制送還という公約を実際どのように実行するのか、さまざまな疑問が上がっている。

次期大統領は、就任初日の来年1月20日から不法移民の強制送還を開始すると、繰り返し発言している。

しかし、次期政権がそのための計画を事前に、かつ合法的に準備できたとしても、移民当局はなお、膨大な人数の移送に取り組まなくてはならない。

たとえば、ICEに所属する2万人の職員と支援要員だけで、数百万人もの非正規移民を発見・追跡できるのか、複数の専門家が疑問視している。

また、大規模な強制送還には相当な費用がかかるはずだが、次期大統領は14日にNBCニュースに対し、経費を理由にこの施策をやめたりはしないと話している。

トランプ氏はすでに、忠実な側近らを移民や強制退去政策を管轄するトップにあてがっている。国土安全保障長官にはサウスダコタ州知事のクリスティ・ノーム氏を指名。第1次トランプ政権でICE局長代理を務めたトーマス・ホーマン氏も、「移民問題の第一人者」として戻ってくる予定だ。

政権移行チームは、この計画の実行方法について、ほとんど詳細を明らかにしていない。

次期大統領は以前、国家非常事態を宣言し、アメリカ国内に軍隊を投入できるようにするつもりだと発言していた。

ホーマン氏は18日、FOXニュースの取材に対し、今週にもフロリダ州にあるトランプ邸を訪問し、「計画の最終調整を行う」と話した。これには、国防総省がどのような役割を担うかの決定も含まれるという。

ホーマン氏は「国防総省が(計画を)支援することはできるか? 国防総省が加われば、こちらの業務のかなりの部分を任せられるので」として、強制送還のペースは、各機関に与えられる資金や人手などのリソースに左右されるだろうと述べた。

米自由人権協会(ACLU)は同日、強制送還計画の詳細開示を求めて、ICEを提訴した。ACLUは提訴を重ねることで、大規模な強制退去を阻止しようとしている。

第1次トランプ政権では、国境地域とアメリカ国内から、合わせて約150万人が強制送還された。

統計では、バイデン政権も2024年2月までに約110万人を強制送還しており、任期満了までの合計は前政権と並ぶとみられている。

(英語記事 Trump vows to use US military for mass deportations

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0lpednzpdpo


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