アゼルバイジャンからロシア南西部チェチェン共和国に向かっていたアゼルバイジャン航空の旅客機が25日、カザフスタン西部で墜落した。同国当局によると、乗客乗員67人のうち38人の死亡と、数十人の生存が確認された。
アゼルバイジャン航空J2-8243便は、カザフスタン西部アクタウ近郊に緊急着陸しようとしたが、墜落して炎上した。
チェチェン共和国の首都グロズヌイに向かっていたが、霧が発生したため進路を変更して飛行していたと、アゼルバイジャン航空はBBCに説明した。
墜落の様子をとらえた動画には、着陸に向けて車輪を降ろした状態の機体が、高速で地上に向かって飛行する様子が映っている。墜落した機体からは炎が上がった。
航空会社は、旅客機がアクタウから約3キロメートルの地点に「緊急着陸」したとしている。
航空機の位置をリアルタイムで表示する追跡サイト「フライトレーダー24」によると、旅客機は25日午前7時55分ごろ、アゼルバイジャンの首都バクーを離陸し、午前10時28分ごろに墜落した。
ロシアメディアが報じた未確認情報によると、旅客機は墜落前に鳥の群れと衝突した可能性があるという。
アゼルバイジャン航空は、アゼルバイジャン・バクーと、ロシアのチェチェン共和国・グロズヌイとダゲスタン共和国・マハチカラを結ぶ便を、事故調査が終了するまで欠航すると発表した。
関係者によると、旅客機のブラックボックスは回収された。
乗客の大半はアゼルバイジャン人で、ロシアやカザフスタン、キルギスからの乗客もいた。
チェチェン共和国で子供たちと休暇を過ごそうとしていた女性が死亡し、病気の子供を持つ女性が行方不明になっているとの情報もある。
事故機に父親が乗っていたという若い女性は、父親と同乗していたきょうだいとは連絡が取れたが、父親の消息は分かっていないと、BBCアゼルバイジャン語サービスに話した。
未検証の動画には、事故機の残骸の中からはい出てきた生存者や、負傷している人が映っている。
アゼルバイジャンとカザフスタンはいずれも、事故の調査を開始した。旅客機を製造したエンブラエル社は、「すべての関係当局を支援する用意がある」とBBCに述べた。
BBCはアゼルバイジャン航空にコメントを求めている。
エンブラエルはブラジルの航空機メーカーで、安全性で高い実績を残している。