Wedge REPORT

2014年3月7日

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 多くのユーザーは、解約を忘れてオプションサービスの月額料金を支払い続けることになる。半年も経てば、端末代の割り引き代以上の金額をこれらのオプションサービスで支払わされているケースも珍しくない。

 「キャリアはオプション加入実績をチェックし、翌期のインセンティブに反映します。集客力に直結するので、オプション加入率の向上は併売店の生命線なのです」前出の併売店店員がそう説明してくれた。「NTTドコモはNOTTV、auはスマートパス、ソフトバンクはヤフープレミアムが重要視されていましたね。NOTTVは、国も関わったプロジェクトだから外せないなんて言われてましたよ」。

 もう一つ、携帯ショップでよく見られる悪質な販売手法は「抱き合わせ販売」である。スマホを契約しにいったのに、ショップ店員から合わせてフォトフレームやデータ通信端末を「利用しない月は無料で利用できる。端末代金がさらに安くなる」と勧められた経験がある人も多いだろう。

 ただ無料利用できる期間は2年間など限定があり、2年経過後は月額料金が発生する契約となっている場合が多い。契約者がこれらの抱き合わせ端末を途中解約しようにも後ほど高額請求され、それがトラブルになるケースもある。こちらも利用者の「解約忘れ」を狙ったビジネスになっている。

 携帯キャリアの業績は今や絶好調。各社数千億円単位の利益をあげている。こうした日本を代表する企業が、「解約忘れ狙い」といった、なんともせこいビジネスを未だ続けていることに、怒りを禁じ得ない人も多いのではないか。

“不健全商法”の構造的な問題

 これらの“悪質な販売手法”は、一部の“悪質なショップ”だけがもたらした問題ではない。携帯ショップが半ば強引な契約をユーザーに迫る背景には、現在のスマホ市場を取り巻く構造的な問題がある。

 一般的に携帯ショップは、各キャリアの直営店はわずかであり、販売代理店に販売を委託するケースがほとんどだ。販売代理店は、端末契約数やオプションサービスの契約率などに応じて、携帯キャリアから手数料を得るビジネス構造になっている。

 今や携帯電話市場は成熟期に差し掛かり、全盛期と比べると端末の出荷台数は激減している。さらにフィーチャーフォンからスマホへと端末の主役が交代し、契約条件やサービスが高度化。ショップにおける接客時間は膨れ上がっている。携帯ショップの経営環境は厳しさを増しており、販売代理店は淘汰や統合を通して生き残りを図っているのが現状だ。

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