2等車の様子を見に行くと、もちろんカーテンはなく、窓が開けられ、熱風ながら心地よい風が入ってきていた。外の景色も見えるので、開放感がある。座席は、1等車は日本の電車のようなクッション性のあるタイプで2等車がプラスチックの椅子なので、長時間の座り心地は1等車の方が断然良いのだが、それでも2等車の明るさと地元の人達の雰囲気が魅力的に映った。
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普段、出張で地方に行く時には車なので、幹線道路を走ることになり、道路が主要なインフラであるブルキナファソでは町の正面ともいうべき賑やかな場所は幹線道路沿いに並んでいることが多い。地図上では鉄道もほぼ幹線道路に平行しているが、町の裏側を通っている印象で、車窓からは生活の裏側が見える。家の裏手、畑地、ゴミ捨て場、墓地などなど、出張途中の車窓からは見えない景色が広がっていた。列車が通ると、小さな子供が走りながら手を振っていたり、大人たちも立ち止まって見ていたり、列車がまだちょっと特別な乗り物であることが感じられた。
ボボデュラッソに着いたのは17時27分。ほぼ時間通り。素晴らしい。ここで45分間停車した後、列車は再びアビジャンに向けて出発する。
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深刻な途上国のバス事故の多さ
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列車にはちょっとした飲み物と軽食が買えるバーが付いていたが、積んでいるビールはすべてコートジボワール産のビールだった。空き瓶もたっぷり。コートジボワールの最大都市アビジャンで積んで、ブルキナファソに来るまでにも多く消費され、空き瓶はそのまま積んでまたアビジャンに戻って行くようだ。残念ながらブルキナファソの銘柄のビールはなかった。そんなちょっとしたことではあったが、2000年代の内戦時代を経て、再び西アフリカの経済の中心都市として活力を取り戻しているアビジャンの勢いを感じ、やはりアビジャンにはまだまだ敵わない差を垣間見た気がした。
人々もアビジャンまで行くからこそ鉄道を利用しているのだろうと思っていたら、たまたま話したブルキナファソ人はワガドゥグから私達と同じくボボデュラッソで降りるという。鉄道を使わない場合の交通手段は長距離バスで、圧倒的に利用者の多い交通手段なのだが「バスは道路が悪くて横に揺れるし事故も多いから」とのこと。妊婦や赤ちゃん連れのお母さんも、安心を買って鉄道を利用しているようだ。ブルキナファソ国内の移動だけで鉄道を利用する人もいることを知って新鮮な驚きだった。