ヴェトナム中部ザライ省クイニョン海岸付近では台風25号の接近で木々が倒れた（6日）
東南アジアで猛威をふるった台風25号（カルマエギ）は6日、ヴェトナム中部を通過し、カンボジアおよびラオスに向けて西進した。7日午後までにヴェトナムでは5人の死亡が確認され、フィリピンでの死者は少なくとも188人に急増した。
台風がヴェトナム中部を通過した際の最大風速は秒速約41メートルだった。海沿いの町では夜間、暴風雨に見舞われた。木々が根こそぎ倒れ、屋根は引き裂かれ、大きな窓ガラスが割れた。
避難者は数十万人に上り、学校や公共施設などに移動した。国内の一部の空港や高速道路が閉鎖された。災害対応に軍が派遣された。
7日朝にはがれきが散乱する状況があらわになった。
ヴェトナム中部は先週も記録的な大雨に見舞われ、50人が死亡している。
台風25号が4～6日に上陸したフィリピンでは7日、確認された死者が前日までの114人から急増した。行方不明者も135人に上っている。
同国では大雨により、泥が激流となって丘の斜面を滑り降り、住宅地になだれ込んだ。貧しい家々が集まるいくつかの地域は、鉄砲水によって完全に破壊された。
フィリピン政府は、国家災害事態を宣言している。同国には、太平洋で発達した新たな台風26号が上陸する可能性がある。
（英語記事 Typhoon barrels towards Cambodia after killing at least 193 in Philippines and Vietnam）
