うつ病蔓延時代への処方箋

2014年7月17日

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 ストレスを発生させた出来事、記憶は無くなりませんが、嫌な感情を放出させてしまうので思い返す回数も減るでしょうし、時間の経過とともに消し去ることができます。体験を消化したという状態です。嫌なことを思い出すのはエネルギーがいることです。過去のストレスを溜めずに、こんな経験をしたと言える状態にすることがタッピングの効果です。

嫌な出来事を思い出し行うのが特徴

――実際に体験してみないとわかりませんが、TFTの研究などがあれば教えてください。

日本TFT協会 森川綾女理事長

森川:PTSD(外傷後ストレス障害)治療に効果があるという研究報告がいくつか出ており、その機能的な裏付けとしてハーバード大学の研究では、特定のツボを刺激すると活発化しているうつ病患者の扁桃体が静まったという報告のほか、デルタ波、セロトニンが増えた、脳の変化をMRIで確認したというのもあります。タッピングするのは東洋医学にあるツボで、それ自体は身体の部位ごとに多くのツボがあります。その中から臨床データに基づいて探した、代表的なツボを選んでタッピングするのです。

 タッピングのツボも鍼灸のツボも同じですが、そこに針を刺した場合と指でタッピングするのでは違いがあります。タッピングでは、嫌な出来事を想い出しながらツボを刺激していくのが特徴です。たたくのは自分です。針は鍼灸師にお願いしなければいけませんし、どこでも手軽にというわけにはいきません。

――鍼のツボに着目したセラピーが米国で始まったのは不思議な感じがします。

森川:心理療法は米国が先進国です。とくに近年は、考え方を変えて行く心理療法が主流となっています。大学で教鞭をとっていた認知療法のパイオアニアでもあるロジャー・キャラハン博士が、考え方を変えてもすっきりしないという症例を研究し、タッピングに行きついたのです。1970年代後半です。私自身は、米国の大学を出て日本で働いていました。その時、阪神淡路大震災に遭遇し、悲惨な状況など多くの事に遭遇しました。そのようなことがあり心理学の勉強を始めたのです。再び米国で学ぶ中でTFTを知り、キャラハン博士のもとで学びました。それを日本で広げるのが私のミッションです。

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