2024年12月22日(日)

うつ病蔓延時代への処方箋

2014年4月17日

 景気に明るい兆しが見え始めているが、大学生の就職活動は依然として厳しい状況が続いている。人生初ともいえる壁に直面し、不採用通知である“お祈りメール”の攻勢にあって心が折れそうになる学生も少なくない。「新型うつ」の予備軍となる学生たちを前向きにさせるキャリアカウセリングを精力的にこなすのが、千葉商科大学サービス創造学部就職担当顧問の庄司祐子氏。メンタルが弱い、将来の方向性を示せない学生たちと、どのように接しているのか。学生たちが抱く一般的なメンタルの傾向性と取り組みなどを聞いた。

庄司 祐子(しょうじ・ゆうこ)
青山学院大学文学部卒、立教大学大学院ビジネスデザイン専攻修士課程(MBA)卒業。商社、外資系企業を経て2005年「NPO法人MBAキャリアデザイン研究所」設立。06年人材開発、就職支援事業などを展開するセドナ設立。代表取締役に就任。12年から千葉商科大学就職担当顧問を兼務。日本生産性本部認定キャリア・コンサルタント 。

就職のテクニックは二の次に

―― 人を育て活用する豊富な経験を元に2年前から学生向け就職面談を行っていますが、その内容を教えてください。

庄司祐子さん

庄司:新設された学部ですので、初の卒業生を送り出す前に学生たちが不安を抱くことなく、無事に就職が決まるよう支援していこうという考え方から、学部に特化した就職担当顧問として就任しました。学生数が少ないこともあり、約150人全ての学生を対象に1回1時間の面談をしています。週2回、秋口からは週3回、時間の許す限り学生たちに向き合っています。

 面談回数は年間で450回になります。しっかりと話を聞き、将来ビジョンの抱き方などをアドバイスするほか、面接対策、エントリーシートや志望動機を書く際の注意点など細やかなサポートまでしています。その成果として今年の卒業生の就職率は99.3%を達成しました。大事なことは、進みたい方向性を明確にして、企業ニーズに応える内容を身に付けること。何となく就活に臨むことが多い学生たちに未来の姿を描かせます。


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