2024年4月24日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月23日

 これらは、東南アジアでの素晴らしい国家実行であり、国際法尊重を意味する。最近の南シナ海でのエスカレーションは正常ではない。

 私は、安保理常任理事国であり、平和と安定に責任を持つ中国を含む関係国は平和裏に共同作業で出来ると信じている。アジアは紛争防止・管理で世界にリーダーになれる。これは共通の利益、公共財を狭い国益の上に置くことができるかによる、と述べています。

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 この論説の内容は、理に適っています。東南アジア諸国がこういう考えをしているのであれば、日米は東南アジア諸国としっかりと協力し、ここに書かれているような考え方を国際的に推進していくべきでしょう。

 中国は、「9点線」が中国に南シナ海のほぼ全域への管理権を与えたという主張をしていますが、国連総会決議で、そういうことは国連海洋法条約上認められない、と明確にすることは、一考に値する案ではないかと思います。行動規範の合意を優先させるアプローチは、中国の理不尽な「歴史的権利」主張を掘り崩すことには役に立たないので、別のやり方を検討すべきでしょう。

 中国は、根拠のはっきりしない主張をしつつ、既成事実を徐々に作ることを得意としています。しかし、既成事実を作られた後で、それを巻き返すのは大変なことですから、既成事実を作らせないことが緊急課題である、との強い認識が必要です。

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