2026年9月17日(木)

スポーツ界の新潮流

2026年9月17日

アジア大会にかける思い

 「アジア大会の強豪は?」と聞くと、タイやイラク、ミャンマー、クウェートの名前が挙がった。フィジカル面で差を感じることもあるのか。

 「ジャンプ力も含めて、海外の選手は『規格外』ですよ。『キャプテン翼』の世界観をそのままぶつけられるイメージです」(早稲さん)

 日本はいかにして勝つのか。早稲さんは「インテリジェンスです」と即答。練習をしばらく観察していると、その意味が分かってきた。

早稲さんがスマッシュを決める瞬間。ボールの速さや回転のかけ方、どこを狙って返すかなど、毎回のショットに巧みなコントロールと「駆け引き」が求められる

 相手コートにボールを強く打ちつける「スマッシュ」は分かりやすい技だ。一方で、ボールがわずかしか跳ねないように肩やくるぶしなど体の一部を触れて勢いを失わせる「ドロップ」ショットの多彩さに目を引かれた。特に、坂本さんはバックスピン(自分側に回転)のかかったヘディングを打ち分けていた。「世界を見渡してもこれができるのは坂本さんくらいだ」と早稲さんは言う。

 派手な動きももちろん見どころだが、相手の利き足ではない方向へボールを返すなど、知的戦略が詰まっているところもこの競技の魅力だ。アジア大会には早稲さん、坂本さん、新井さんに加えて、納富翔大さんの4人が出場する。

 早稲さんが意気込みを語る。

 「最近、サッカーの日本代表がテックボールを楽しんでいる様子が話題になりました。競技の認知度が上がったのは喜ばしいことですが、『レクリエーション』という認識で終わらせてはならないと思っています。

 目標はもちろん、金メダルです。プロとして日本人が活躍できる競技であるということを、この大会を機に知らしめます」

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Wedge 2026年9月号より
日本スポーツ界の新潮流 変革の時をつかめ
日本スポーツ界の新潮流 変革の時をつかめ

大谷翔平、三笘薫、北口榛花、阿部詩、八村塁、松山英樹……。世界で活躍する日本人選手がここ最近、増え続けている。国内では、スポーツの力をまちづくりへ生かそうと、スポーツ界・民間・行政の連携も広がっているほか、新たな競技の普及も進んでいる。一方、少子化などの課題は競技人口にも影響を及ぼし始め、精神論や根性論など「昭和的価値観」の指導のあり方も見直され始めた。まさに、日本スポーツ界は変革の時を迎えている。新潮流を、日本社会へどう生かしていくか─。32年ぶりに日本でアジア大会が開催される今、その可能性を探りたい。


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