米国世論にも変化
こうした批判にもかかわらず、トランプ氏が対中微笑外交を推し進めたことについては、米国世論の最近の微妙な変化を指摘する見方もある。
その具体例として引き合いに出されているのが、「シカゴ国際問題評議会」が公表した最近の世論調査結果だ。それによると、中国の「領土的野心」を米国への脅威とみなしていると回答した人は、41%となり、2022年の調査時の52%から目立って減少した。同時に「中国政府と協力し、関与を続けるべきだ」と回答した人は、米国民の半数以上の57%に達していることが分かった。
11月に迫った米中間選挙を前に、トランプ氏はこうした世論をさらに自陣に引き寄せるため、米中首脳会談を最大限利用したとも言える。中間選挙の結果次第では、大統領は今後も、「米国第一主義」「経済最優先」の立場から、「友好関係」と「同盟関係」の線引きをあいまいにした「二面性外交」を推し進めていく可能性が十分ある。
従って、我が国にとっても、トランプ氏の口先だけの言辞に惑わされることなく、実際の行動を厳しい目で見ていく必要があるだろう。
