2026年10月6日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年10月6日

 一方、海外旅行はどうだろうか。中国民用航空局が9月下旬に発表した予約同行によると、中秋節と国慶節の連休中の国際線の予約数は前年同期比22.5%増となった。今回はカレンダーの並びがよく、長期で休めることから比較的遠方への旅行を計画した人が多かったようだ。

 前述の「同程旅行」によると、今年の人気海外旅行先(都市別)は、バンコク(タイ)、クアラルンプール(マレーシア)、ソウル(韓国)、シドニー(オーストラリア)の順だった。ほかにドバイ(アラブ首長国連邦)、ロンドン(イギリス)、パリ(フランス)、モルディブなども人気だが、上位10都市の中に日本はランクインしなかった。昨年は3位に東京、8位に大阪が入っていたが、今年はあえて日本旅行は避けられたようだ。

日本でなく、どこに?

 背景にあるのは昨年11月の高市早苗首相の「台湾有事」をめぐる国会答弁だ。これ以降、日中関係は冷え込み、中国政府は日本への渡航自粛を呼び掛けた。

 日本政府観光局(JNTO)の今年1~8月までの訪日外国人客数のデータを見ると、中国からは290万4600人で前年同期比56.7%減だった。韓国や台湾などからの訪日客がプラスになっているのと比べると、中国からの訪日客の減少ぶりは突出している。

2026年1~8月の訪日外国人観光客数は、中国からのみが前年比で減少している(出所)日本政府観光局(JNTO)より

 JNTOの概況によると、航空便の減便の影響やホリデースクールの影響とあるが、ほかに国内景気の悪化や9月15日から施行された「出入国に関する国務院規定」の影響もある可能性がある。同規定はAI、半導体、レアアースなどの先端技術の技術者などを対象にした出国制限に関する規定だ。

 一般国民の出入国は制限しないものだが、ちょうど国慶節前に施行されたことから、「今回は念のため海外旅行はやめておこう」という人がいても不思議ではない。まして、日本については団体旅行も停止されているため、避けた可能性が大きい。

 中国人の海外旅行の中で、急速に人気が出ているのは韓国だ。中国メディアの報道によると、今年7月に韓国を訪れた中国人は前年同期比29%増と大幅に伸びている。

 中国から韓国へは3人以上の団体客は今年12月末までビザ免除措置(15日間まで)がとられている。韓国のリゾート地、済州島(チェジュド)に関しては団体客、個人客ともに最長30日間までビザ免除となっているので、非常に行きやすい環境が整っている。料金的にも欧米に行くよりも手頃で近距離であることから、韓国人気が高まっているのだ。


新着記事

»もっと見る