2026年10月1日付フィナンシャル・タイムズでは、欧州に対するロシアのハイブリッド攻撃が激化しているが、欧州は新技術を駆使して安全保障対策を強化するとともに、ロシアと協議することで大規模な殺戮が起きる可能性を減らすことができる、とカーネギー・ロシア・ユーラシア・センターのガブエフ所長が論じている。
欧州各国は域内で悪化するロシアのハイブリッド活動を抑止すべく対応策を模索している。残念ながらロシアの攻撃を全面的に止める手立ては事実上ない。欧州が必要とするのは、攻撃を妨害する防衛手段、ロシアに対する影響力構築に向けた冷静な思考、そしてロシアとの間で一定の歯止めを設ける努力だ。
欧州の一部は、ロシア人が理解するのは力だけで、強く攻撃されれば彼らは引き下がるとして、ロシアへの直接攻撃を提唱している。これはロシアの西側理解と同じ論理であり、このことは、通常兵器や核兵器が管理されていた冷戦時代と異なる、攻撃のエスカレーションを管理する言葉が存在せず、双方が野放しのエスカレーションへの道を辿る可能性があることを意味する。そうなると、多数の死傷者が出る事件が一度起きれば、世界は一変してしまう。
しかし欧州にはロシアの挑戦を注意深くかつ効果的に管理する別の方法がある。北大西洋条約機構(NATO)は既にロシアの攻撃を良く妨害しているが、国内の安全保障手段を強化すべくさらに努力することができる。
欧州は安全保障と軍事力への大規模投資に乗り出そうとしているが、投資する資源の一部は、警察・防諜機関・対テロ機関の強化とこれらの機関間の連携の緊密化等の国内ニーズのために使われるべきだろう。
欧州は危険な時代に入ろうとしている。若い市民は中東やアフリカが絶えず発出する映像によって無自覚に過激化している可能性があり、そこにテロリストや、ロシアやイランのような敵対的国家が付け込もうとする。
