Reorganizations and restructurings can create a false sense that you’re actually doing something productive. Companies are in the process of reorganizing themselves all the time; that’s the nature of institutional evolution. But when you begin to respond to data and warning sings with reorganization as a primary strategy, you may well be in denial. It’s a bit like responding to a severe heart condition or a cancer diagnosis by rearranging your living room. (p80)
「組織改正や事業の再構築は、なにか生産的なことをやっているような錯覚を与える。会社というものは常に自己再編をしているものであり、それは組織が発展するうえで当然のことだ。しかし、データや危険な兆候に対して、組織改正を主たる戦略として対応し始めたら、それは現実逃避になりかねない。心臓の病気や癌の診断に対処するために、家のリビングルームを模様替えするようなものだ」
フィオリーナの失敗
ステージ4については、会社を立て直すために新しい経営トップを据える打開策が、成功した場合と失敗した場合のケーススタディを取り上げている。HPのCEOに就任して一夜にしてマスコミがもてはやすヒロインとなったカーリー・フィオリーナはなぜ失敗したのか。就任時期はずれるが、IBMを立て直したルイス・ガースナーの戦略と比べながら解説する。就任直後は腰をすえて会社の問題点の洗い直しに専念したガースナーに対し、フィオリーナはマスコミに連日のように登場して、根拠のない経営ビジョンを語った点など、対照的な経営姿勢を浮かび上がらせる。
没落の最終段階であるステージ5に関しては、深く追求しても仕方がないが、結局は最終局面では資金繰りが重要であることを諭す次の一説は印象深い。
Leaders in successful companies worry more about earnings. But organizations do not die from lack of earnings. They die from lack of cash. (p104)
「成功している会社の経営者は、利益のことにより頭を悩ます。しかし、会社は利益が足りなくても死ぬわけではない。会社はキャッシュが不足すると死ぬのだ」
本書はウォールストリート・ジャーナル紙の5月30日付の週間ベストセラーリストのビジネス書部門に初登場したときは3位。それも含め3週連続でトップ5にランクインし直近の6月19日付のリストでは8位につけている。
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