ベストセラーで読むアメリカ
ベストセラーを見れば世相がわかる--知っているようで知らないアメリカの実相を知ることは、日本を考えることに欠かせない。

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2021/01/02 森川聡一
今回とりあげるベストセラーは、一時は世界最大の銀行となったドイツ銀行の無軌道な経営ぶりを告発するノンフィクションで、ドイツ銀行とトランプ帝国の不透明な関係にも詳しい。本コラムでとりあげるのが遅くなってしまったが、本書はニューヨーク・タイム…
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2020/11/25 森川聡一
黒人として、また女性として初めてアメリカの副大統領になるカマラ・ハリスにも不都合な真実がある。ハリスが政治の世界への足掛かりをえたのは、20代のころ31歳も年上の政界の重鎮と交際を始めたからだ。しかも、その大物は既婚者だった。大物政治家を…
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2020/11/02 森川聡一
黒人を奴隷にしていた時代に始まったカースト制度が、現代のアメリカでもまだ続いている。自身も黒人である女性ジャーナリストの手になる本書は、アメリカにおけるカースト制度を告発する。
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2020/10/14 森川聡一
アメリカ軍の装備はAI(人工知能)など最新テクノロジーの導入が遅れており、もはや世界最強ではない。技術革新による武力行使のパラダイムシフトに無自覚だ。対テロ戦争に注意を向けている間に中国の脅威を見過ごしてきた結果、いま中国人民解放軍と戦っ…
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2020/07/21 森川聡一
広島と長崎に原爆が落とされてから75年がたとうとする今、アメリカでは原爆投下を正当化する歴史読み物がベストセラーとなっている。あのとき原爆を使わなければ戦争は長引き、アメリカ兵の犠牲がさらに増える可能性があったから仕方のない選択だった――…
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トランプ再選に向け援護射撃、民主党のライバルたちを糾弾
2020/03/02 森川聡一トランプ大統領の再選に向け、援護射撃の役割を担うノンフィクションの売れ行きが好調だ。大統領選でトランプの対抗馬になりそうなアメリカ民主党の政治家たちの欺瞞や腐敗ぶりを徹底した調査であぶりだす本だ。バーニー・サンダース上院議員やジョー・バイ…
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ゴーン逃亡者もビックリ『Catch and Kill』
2020/01/23 森川聡一本書が読みごたえがあるのは、ハリウッドの大物による性的暴行を明るみにするだけで終わらないからだ。業界の大物といった特権階級が、お金の力でマスコミ、元諜報機関の工作員、検察OB、大物弁護士らを味方にして、自己を正当化する情報戦をてがる事実を…
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元大統領補佐官が暴露、笑うに笑えないエピソードの数々
2018/10/05 森川聡一またまたトランプ政権の内幕を暴露するノンフィクション。大統領補佐官を今年1月に辞任したオマロサという名のアフリカ系アメリカ人の女性が、政権内部でトランプ大統領を間近でみてきた経験をもとに書いてる。
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やっぱり人気は根強い
2018/09/13 森川聡一トランプ大統領のことを手放しで礼賛する本がアメリカで大人気だ。書いたのは保守系メディアのFOXニュースで活躍する女性コメンテーターのジェニー・ピロだ。検察官や裁判官も務めた経歴を持つピロの舌鋒は鋭い。
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日本人が忘れた戦後秘話
2018/08/29 森川聡一帝国海軍・橋本以行率いる伊58潜水艦は大戦末期の1945年7月に、米海軍の重巡洋艦インディアナポリスを魚雷で撃沈しフィリピン海の底に沈めた。本書はこの日本軍に撃沈された軍艦インディアナポリスと、その生き残った乗組員たちの名誉回復に向けた長…
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あのマードックも騙された
2018/07/12 森川聡一指先からとった一滴の血液で瞬時にさまざまな病気を検査できるテクノロジーを開発した――。こんな魅力的な触れ込みで一時は企業価値が一兆円を超えたシリコンバレーのスタートアップの嘘を暴くノンフィクションだ。
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2018/05/24 森川聡一
なにかと話題を振りまいたFBIのコミー前長官が書いた回顧録。2016年の大統領選挙の時には、民主党のヒラリー・クリントン候補を邪魔するかのように、ヒラリーに対する国家機密漏洩の疑惑をめぐるFBIによる捜査を対外発表したことで有名な、あの前…
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2018/03/29 森川聡一
アメリカの副大統領ほど残念な役職はないだろう。世界最大の国アメリカのナンバー2でありながら、日ごろ脚光を浴びることはない。そもそも話題にさえならない。
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2018/01/15 森川聡一
トランプ政権の内幕を暴露したノンフィクション「FIRE AND FURY」。内容に激怒したトランプ大統領サイドが出版の差し止めを求め、発売前から人気に火がついた。あれだけメディアが取り上げれば、ベストセラーにならない方がおかしいだろう。
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2017/11/21 森川聡一
ヒラリー・クリントンが2016年のアメリカ大統領選を振り返った回想録。 敗軍の将が今さら何を書くのか。そう反発する人も多いだろう。しかし、本書は発売と同時に大きな話題となった。
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世論操作の実態、主力メディアを手玉にとった深謀
2017/10/05 森川聡一トランプ大統領の最側近だったスティーブ・バノンの正体に迫るノンフィクション。その異色の経歴や思想にくわえ、トランプを大統領選で勝利に導いた恐るべきメディア操縦の実態を明らかにする。
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2017/08/24 森川聡一
筆者のアル・フランケンはミネソタ州選出の上院議員。議員になるまではテレビの人気番組などで活躍したお笑い芸人だった。そんな異色のコメディアンいや政治家が書いた回想録がベストセラーになっている。
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ヒラリー敗北の原因に迫った本がベストセラーに
2017/07/27 森川聡一トランプがホワイトハウスに入ってしまった以上、敗軍の将であるヒラリーに関する本を、今さらだれが読むのだろうか。しかし、アメリカではこれがベストセラーとなった。
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アメリカ史の血塗られた暗黒部分を追及
2017/06/06 森川聡一きっとハリウッドが映画化するだろう。1920年代のアメリカ・オクラホマ州で本当に起きた連続殺人事件の真相に迫るノンフィクションだ。
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ハリウッドでの成功と不動産投資、シュワルツェネッガーの戦略
2017/05/08 森川聡一アメリカではポジティブ思考を奨励する本がよく売れる。セミナーなども盛況で自己啓発はひとつの産業として成り立っている。