「ゼロでなければ危険」はまちがい
どの食品を買って食べるかは、消費者一人ひとりの選択だ。食品に示される原材料名も、消費者が食品を選ぶときの参考のためにある。食品添加物名のない食品を選ぶか、食品添加物名の並んだ食品を選ぶか、その判断を否定する権利はだれにもない。
ただし、“添加物は危険、無添加は安全”といった、正しいといえない判断基準だけで、食品が選ばれている現状があるのもまた確かだろう。リスクとベネフィットのより広い観点で食品が選ばれるような、リテラシーの成熟した時代はまだ来ていない。
「量がゼロであれば安全で、ゼロでなければ危険という考えはまちがいです。あるかないかでなく、それが役に立つかどうかを考慮すべき時代だというのに」
◎今回のまとめ◎
・食品などの安全・危険を判断するときは、「リスクがどれだけあるか」「ベネフィットはどれだけあるか」を量として考えることが大切。
・人工食品添加物も生野菜も含め、あらゆる食材・食品には、体に影響をあたえるリスク要因を含んでいる。摂り過ぎれば毒になりうるし、摂り過ぎなければ毒にならない。
・「食品添加物にご注意」という情報にご注意。