世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年10月23日

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 また、クリントン元長官は、国際秩序の中でも、特に、アジア太平洋政策に触れています。彼女は、米国のアジア回帰政策に言及する時、「リバランス」という言葉を使用せず、「ピボット」という言葉を使います。アジアに重点を置き、そこにルールに基づいた秩序を回復することを目的とします。念頭には、中国の台頭があり、米国との価値の相違があることを示唆しています。例えば、

 アジアに関して、キッシンジャーは、中国も含め、地域で台頭してくる国々は、自らの歴史及び現在置かれた状況によって形成される地域及び世界秩序に関する自らのビジョンを有する、と述べている。では、我々は、これら異なるビジョンをどう扱わなければならないのか。中国と協力的関係を築きながら、同時に、安定的で繁栄した地域の他の関係、利益、価値を守りつつ、更に大きな世界問題に対処できるかを考えて行かなければならない。

 私の著書“Hard Choices”には、オバマ大統領と私が打ち出したアジア太平洋戦略が描かれている。それは、伝統的同盟関係を強化することを中心に据え、ASEANやAPECなどの様々な地域機構を調整して活用しつつ、中国をより広く関与させることである。二国間では、中国と新たに戦略・経済対話の場を設け、多国間では、地域の圧力によって、中国に、より建設的行動を取るように奨励する。そして、航行の自由から気候変動、貿易、人権までの諸課題に関する共通の意思決定を多国間でして行く。よく知られるようになった、米国の「アジア・ピボット(アジア回帰)」政策は、この地域に、ルールを基礎にした秩序を確立することを目的とする。それによって、新興国の平和的台頭を管理し、普遍的規則や価値を普及することが出来る。

 と述べています。

 2016年の大統領選挙候補として取り沙汰されているヒラリー・クリントン元長官ですが、9月14日のアイオワ州の集会では、大統領選挙への出馬について、「考えている」と述べ、喝采を浴びました。上記の書評も、途中から、まさに、大統領候補の演説を聞いているような調子になってきます。米史上、女性初の大統領が、果たして誕生するのでしょうか。

  
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