入試問題の英語のレベルにも問題があるという。内外の英語の試験に詳しい専門家は、今年の東大の英語の筆記試験について「(中高生の英語運用能力を測るテストの)TOEFLジュニアのレベルよりも低い」と批判しており、試験内容の見直しが求められている。
成績優秀な受験生の一部には、東大など日本のトップクラスの大学には目もくれず、海外の大学を目指す動きが出てきている。グローバル人材を育てる専門塾「IGS」を東京・渋谷で開いている福原正大社長は「日本全国や海外から来た70人ほどが学んでいる。世界を変えたい、起業したいといった明確な目標を持った受験生が来ている。有名大学ブランドがほしくて海外に行きたいのではなく、先輩の話を聞いたりしているうちに、東大よりも海外の大学の方が自分の将来の目標にかなう大学だということが分かってきているためだ」と“東大離れ”の背景を分析する。
日本の一流と呼ばれる大学も、うかうかしていると、将来的にグローバルな舞台で活躍できる逸材が、海外に「流出」してしまう恐れがある。
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