2024年4月26日(金)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2014年11月5日

 「中国が日本に観光で来て、鳥インフルエンザ菌をばら撒いて帰る! 中国人が触った所は必ず消毒」(2014/1/28のブログより)

 「卑劣で野蛮な「中国共産党一党独裁国」をこの地球から駆逐しよう!」(2014/5/13のブログより)

 「他国の迷惑を顧みないシナ人ども。」(2013/12/2のブログより)

 なお、この宮司はブログを紹介したJ-CASTの取材に対し「たまたま中韓の話題がホットだから問題にしているだけであって中韓に対する恨みは無いしヘイトスピーチをしているとは思っていない」(http://www.j-cast.com/2014/10/14218329.html)と話したという。

「差別的発言」に囲まれて育った子どもへの影響は

 近いはずの隣国・中韓と日本の間には、慰安婦問題や特別永住権に関する論争、竹島(独島)や尖閣諸島をめぐる問題など、社会的な問題が数多く存在する。それらの解決なしに両国が心の底から和解することは難しいのかもしれないが、あてつけのように日本にいる外国人へ差別的発言を繰り返したりヘイトスピーチを行ったりしても、何一つ解決には結びつかない。国の政治体制の在り方に疑問を呈したり、自分に対して迷惑をかけた特定の誰かを恨んだりするならならまだ理解できるが、日本に住む全ての外国人に対して誹謗中傷を浴びせるのはいささかやりすぎた行為なのではないだろうか。

 「ネトウヨ」と言われる彼らから反感を買うとは思うが、筆者は中国とのクオーターだ。日本籍を持ち、日本に住んでいるが、子どものころから日本でヘイトスピーチを受けることは多かった。

 また、旅行で中国へ行けば中国でも日本人に対するヘイトスピーチを受ける。筆者は幼少のころから何度か中国へ足を運んでいるが、子どもながら日本人に対する蔑称で呼ばれるのはいい気がしなかったものだ。

 どちらの国でも、子ども相手に大人が平然とした顔でヘイトスピーチを繰り返しているのが現状だった。そして悲しいことに、中傷を受け続けると、人はヘイトスピーチに慣れてしまうのだ。筆者は、今ではネットや街中でヘイトスピーチに出くわしても、悲しみや怒りといった感情すら抱かなくなってしまった。

 しかし一方で、街中のヘイトスピーチやネット上の中韓叩きを見るたびに、これを見た子どもたちはどう感じるだろうかと思う。外国人の子どもはもちろん、彼らと学校で机を並べる日本人の子どもたちについてもだ。

 ヘイトスピーチを行う人にとって、差別的な発言を「言論の自由」と言うのは自身の行為を正当化するために必要なことなのかもしれない。しかし、それを見た子どもたちへの影響を考えたときに正しい行為とは思えない。今の子どもたちが私のような悲しい大人にならないことを切に願う。

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