世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年12月12日

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 従って、オバマ大統領もその気になれば、外交面で名を残すことができる、と述べています。

出典:Fareed Zakaria‘Will Obama become a foreign policy president?’(Washington Post, November 6, 2014)
http://www.washingtonpost.com/opinions/fareed-zakaria-will-obama-finally-become-a-foreign-policy-president/2014/11/06/91984644-65fa-11e4-836c-83bc4f26eb67_story.html

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 筆者のザカリアは、米国有数のジャーナリストで、現在はCNNで国際評論番組を担当しています。穏健リベラルに位置づけることができます。

 米国の大統領選まであと2年、上院での多数まで失った米国の外交がどこまで力を発揮できるか不安を感じます。オバマがこれから行うであろう人事異動の結果を見ないと、確かな分析はできませんが、任期末期の米国大統領は“legacy”を残そうとして見境もなくあがく傾向があるので、注意する必要があります。レーガン大統領は政権末期、レイキャビックでの米ソ首脳会談の際、拙速に核廃絶合意に署名しそうになりましたし、クリントン大統領は同じく政権末期に、北朝鮮との関係を推進しようとしたことが想起されます。

 日本の立場からは、中国に対する軍事バランスの維持・改善を是非、はかってもらいたいところです。また、ザカリアは言及していませんが、北朝鮮との話し合い推進は、東アジアにおける対中バランスを強化する上で有効な手段となり得ます。北朝鮮で収監されていた米国人2名が、クラッパー国家情報局長の北朝鮮訪問を受けて11月8日に帰国しており、米政権はこの方面で既に動き始めているのかもしれません。

 ザカリアの言う、「サウジアラビアとイランの和解」が成立すると、中東の政治地図は大きく変化し、イスラエルは、より弱い立場に置かれる可能性があります。

 オバマ政権がレームダック化する一方で、中国の習近平政権は力の集中を進め、対外的には通貨スワップ協定や「インフラ開発銀行」の開設を連発しては、中国影響圏の拡大に努めています。しかし、世界経済の基調は、米国経済回復の本格化とドル高、原油価格の大幅下落とロシアの低落にあり、中国経済も成長が鈍化してきています。米国も経済が回復すれば、これまでの過度の内向き傾向から脱出して、積極的外交に転じる可能性はあるかもしれません。

  
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